■ 日本語に句読点は必要か 〜句読点不要論 (2006.12.28)

唐突ではあるが、いま「句読点不要論」を、個人的に掲げて文章訓練に取り組んでいる。「分かち書き」の延長とも言えるが、未だ一般的な理解が浸透しているわけではない。
仕事の場で、句読点なしの文書をそのまま使うのは周囲の抵抗が大きいので、まずはメール文で試行しているのが現状だ。
<分かち書き:文を書く時、語と語の間に空白を置く書き方>


【句読点不要論の背景】
◆そもそも日本語には句読点は存在しなかった
明治時代に、英語などの文法が持ち込まれたときに、主語とか述語の概念とともに、句読点も輸入されたのである。だから句読点なしでも、読む人にメッセージはきちんと伝わるはずである。毛筆では句点( 。)は書けませんよね。

◆句点を置かなくても文末であることは明らかである
日本語の文末は、基本的には述語(〜である)と決まっているので、文末は句点を置かなくても明らかである。はっきりと文末を意識させたいときは、改行すればよいだろう。改行の指示が句点の役割を果たし、わざわざ句点を付加しなくても文の終わりは明確である。
一昔前のワープロでは、改行すると自動的に句点を挿入したのでは?

◆読点はほとんどの場合に不要である
どうしても読点が必要な場合は、分かち書きの流儀で空白を置けばよい。
読点がないために誤解などが生じるのは、もともとの文章に問題があることが多い。
単語を並び替えれば、読点なしでも正しくメッセージを伝達できるはずである。

◆明快な文章を書くための訓練として有用である
句読点を使わないとなると、必然的に短い文章を書かざるを得ない。修飾関係が複雑であっても、句読点の力を借りずに、文章だけの力で誤解しないように内容を伝える必要がある。短く明快な文章を書くにはもってこいの訓練である。

◆仮名漢字変換の操作が冗長になる (ちょっと個人的趣向が強いかも)
現状のパソコンに採用されている仮名漢字変換方式では、句点( 。)や読点( 、)の入力に対しても、句読点であることは自明なのに、いちいち確定キーを押す必要がある。ちょっとかったるい操作である。そのまま直接入力が可能なように、IME(Input Method Editor)開発者には要望したい。



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