■ 《ヴェネチア》は堀美術館が所蔵 (2010.10.2)

人手に渡ったと報じられた、三岸節子の作品《ヴェネチア》が、「文化のみち 堀美術館」に所蔵されていることがわかった。

2010.8.28(土)から、9.26(日)まで開催された「三岸節子 特別展(中日新聞社共催)」に《ヴェネチア》も出展されたとのことだ。
残念ながら、このニュースを後から知ったので、特別展に出向くことはできなかった。
美術館によれば、11/13から常設展を計画しているとのこと。《ヴェネチア》も考えられているようで、楽しみだ。

「文化のみち堀美術館」のサイトは→こちら


■ 三岸節子生誕100年記念「三岸節子展」 (2005.5.6)

今年2005年は三岸節子の生誕100年とのこと。これを記念して「三岸節子展」が東京・日本橋三越本店で4/19〜5/1まで開かれた。19歳のときに描いた《自画像》を初めとして、最晩年の《さいたさいたさくらがさいた》まで約80点を展示したもの。

いずれの絵も女性とは思われないほど実に骨太である。晩年に近づくほど大胆な構図となるような印象すらある。《さいたさいたさくらがさいた》の割り切った大柄な骨組みはどうだ。風景画にしても対象を真っ正面にまっすぐに見つめる。遠近感も圧縮されるようなダイナミック感がある。水平線が傾くことはない。

色遣いは単純に絞り込んだように思われる。色合いそのものはけっして単色ではなく深い暖色系が目に付くのだが。ヨーロッパ滞在時に描いた絵では「朱色」とも思われる色が強烈な印象を与える。キャンバスに近寄って子細に見ると全身の力をこめて絵の具を塗りつけ気迫を込めたことが伝わってくる。



それにしても、《ヴェネチア》を何処にも見ることができなかったのは残念である。一宮の三岸節子記念美術館でも目にすることができなかった。個人的にはもっとも好きな絵なのだが。かつてのヒマラヤ美術館の閉館とともに《ヴェネチア》も、人手に渡ったのであろうか。ぜひ公開して欲しいものだ。

 ← 《ヴェネチア》



◆ 三岸節子美術館・ヒマラヤ美術館は → こちら



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