■ メジロ巣立ち日記 (2009.6.8)

自宅の庭にメジロが巣をつくった。小さなタマゴを親鳥が健気に温め続け孵化に成功した。無精卵もあったようである。
タマゴを見つけてから16日ほどでヒナは巣立って飛び去っていった。
メジロが巣をつくるのは、吉兆とか言うらしい。その家が安全であることを、メジロが本能的に感じとった結果だというわけだ。

  月日   写真   記事
 09.5.23
  (1)
  曇
 








メジロが巣を作った。
今朝 玄関わきの雑木の枝を払っていたら
小さな鳥の巣が現れた。
中を見ると親指の先ほどのちっぽけな卵が5つほどある。

その後様子を見ていると メジロが飛んできて じっと卵を暖めているではないか!
まさに玄関の隣で、人の出入りも激しく、道路に面しているので、こんなところで大丈夫か?という感じだ。

それにしても小さなメジロのけなげな様子に胸を打たれる。
終日、卵を暖めている。うまく孵化するだろうか? 
 09.5.25
 (3)
 晴
  今日も相変わらずじっと身じろぎもせずにタマゴを暖めている。
オス・メスが交代しているのだろうか。

昨日はかなり強い雨が降った。
巣があるとは気づかずに周りの枝を払ってしまったので、
巣が丸裸に近い状態で雨に濡れそぼってしまう。
しょうがないので、木にビニール傘をくくりつけて巣に雨がかからないようにした。
このときばかりは、親鳥も巣を離れるのだが、近くの電線の上からうるさく警告を発する。 

相変わらず、終日身じろぎもせず、タマゴを抱いている。
ものの本によれば、10日前後で孵化するとのことであるが、どうなのだろう?
 09.5.30
 (8)
 雨
  このところ冷たい雨が続いている。梅雨の前触れのようでもある。
タマゴを暖めているメジロにはつらい日々だろう。

相変わらずのうっとうしい天気である。
親鳥が飛び立ったあと、巣の中をのぞくと、ヒナがかえっているではないか!

さっそく上からカメラをかざして確認すると、
3羽ほどのまだまだ生まれたばかりに見える、ヒナが写っている。わずかに眼のある頭部とかを確認できるが、ほとんど胎児の状態である。
あとのタマゴ2つは 無精卵かもしれない

そういえば親鳥の動きが活発になったようにも思える。これからの子育てが大変だろう。
カラスとか天敵の様子も気になるところである。
 09.5.31
 (9)
 曇
  相変わらず タマゴを暖め続けている。
巣の中を 確認すると やはりヒナは 3羽のようである

2羽の親鳥が交代で 飛んで来るような様子。
雄雌のつがいのメジロなのだろうか、
ときどき 巣の中を 移動するようなそぶりもあるのだが……
 
 09.6.1
 (10)
 曇
   ヒナはかなり成長したようである。手足がはっきりと分かる。頭と胴のくびれがはっきりしてきた。
くちばしも大きくなってきた。
 09.6.2
 (11)
 晴
 

親鳥が警戒してか、カメラをじっと見つめている。
もうヒナは自力で餌を要求できるようだ。
くちばしをつきだして親鳥にねだっている。食欲は旺盛だ。
 眼はまだ見えないようである。
 09.6.4
 (13)
 晴
  親鳥が餌を運んでいる。虫――アブとかヤブ蚊のたぐいか、をくちばしにくわえているのがわかる。 
 09.6.5
 (14)
 雨
 
ヒナは全身が羽でしっかりとおおわれて、もう幼鳥といった様子である。
残りのタマゴはもう孵化しないようだ。
 09.6.7
 (16)
 晴
 







ヒナは目鼻立ちもはっきりして羽が生えそろってきたのがわかる。
ついに巣立ちの日がきたようである。
そばの木の葉が巣に触れた瞬間、ヒナがびっくりして巣を飛び出した。
懸命に羽ばたきをして飛び出し、そばの枝にすがりつく。
まだまだ羽がしっかりと開かないようでもあり、
体液がまとわりついているような感じもある。

巣の周りにとどまり一呼吸するようなそぶり
親鳥がギャアギャアとうるさく警告を発する。
しばらくそのままにしておくと、いつの間にか飛び去ってしまった。
親鳥に誘導されて巣立ったのであろうか

これでメジロ日記は終わった。健やかな成長を祈るばかりだ。
巣の中にタマゴを見つけてから、今日の巣立ちまで16日ほどかかった。


ヒナが巣立ったあと、後に残った「巣」を手にとってチェックしてみると、あらためて見事な巣作りに感心する。
2本の枝を支柱にして、その間をつなぐように――体操の平行棒のようにして、巣を作る。繊維状の小枝、ビニールひもの切れ端、などを、球体状の巣に組み上げている。
編み上げるといった方が適切かも。ゆがみもなくバランスのよい完全シンメトリカルな立体である。





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