■ (ガッティ) ロイヤル・フィルとの来日公演
1999年6月 首席指揮者を務めるロイヤル・フィルと共に来日、東京・大阪で公演を行った。曲目はチャイコフスキーとプロコフィエフそれぞれの《
ロメオとジュリエット》、ブラームスの交響曲第2番。マーラーの交響曲第5番も曲目には挙がっていたようだが。残念ながら、聴くチャンスはなかった。
演奏会評によると、ガッティの"色"がはっきりと反映されており、若々しい活気があふれ、木管と弦には不思議なあでやかさを感じたとのこと(『音楽の友』99/8)。アンコールはヴェルディの《
運命の力》序曲だから、これはガッティの真骨頂を発揮したと思われる。
演奏写真を見るとかなり貫禄が着いたようである。以前のジャケット写真とは大分様子が違ってきた。今後もすっきりした演奏を期待したい。
■ ダニエレ・ガッティ (Daniele Gatti)
1961年生まれ、大野和士のちょうど1つ下。経歴を調べると、大野と同じ道をまさに一歩前を走っている感がある。これからずーと宿命のライバルとなるのではないでしょうか?
大野が、ボストン交響楽団の定期演奏会を病気のガッティに代わって振った(1999.3.18〜20)のは何かの因縁だろうか。
以下は、レコード芸術 第48巻第1号付録 Record Year-book '99の紹介から。
イタリアの指揮者。1961年11月ミラノに生まれ、生地のヴェルディ音楽院でピアノとヴァイオリンを学び、作曲と指揮でも学位を得た。27歳でミラノ・スカラ座にデビューしたほか、フィレンツェ5月音楽祭、ベーザロ・オペラ・フェスティヴァルなどで指揮した。
'92年にローマ聖チェチーリア音楽院o.の音楽監督に抜擢されて、'97年までその地位にあり、この間コヴェント・ガーデン王立歌劇場の首席指揮者もつとめた。'96年秋にはロイヤル・フィルの音楽監督に就任し、翌'97年からはシャイーの後任としてボローニャ市立歌劇場の音楽監督も兼任している。
また、'89/'90年のシーズンにはカーネギー・ホールでアメリカso.を指揮して合衆国にもデビューして、スポレート音楽祭のファイナル・コンサートも指揮し、その後もロス・フィル、ワシントン・ナショナルso.などを指揮している。
'96年にニューヨーク・フィルに招かれたほか、バイエルン放送so.やロンドンso.、イスラエルpo.、ベルリン・フィルなど、世界各地の一流オーケストラにもしばしば客演し、イタリアの俊英指揮者として注目を集めている。
◆マーラー 交響曲第5番
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 BVCO-1503
冒頭のトランペットの響きからして人を引きつける魅力がありますよ。
◆バルトーク 管弦楽のための協奏曲、弦楽のためのディヴェルティメント他
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 BVCO-1504
ガッティのCDはいずれも録音が良い。ピラミッド型の安定感とも言える。
◆レスピーギ ローマの祭り、ローマの噴水、ローマの松
ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団 BVCO-1505
◆ロメオとジュリエット プロコフィエフ、チャイコフスキー
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 BMG CONIFER 75605 51343 2
……これは国内版が出ているのかな?
◆マーラー交響曲第4番
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 BVCC-34018
ゆったりしたスケールの大きい演奏だ。