■ 東京藝大 チェンバーオーケストラ第22回定期演奏会

東京藝術大学奏楽堂にて 2014.2.11(火・祝)

充実した演奏会でした。曲目のバリエーションも良かったです。藝大室内オケの実力を改めて見直しましたね。アンサンブルの精度とか、本邦随一の室内オケではないかと感じました。サイトウ・キネンに匹敵するレベルではないでしょうか。

本日は指揮者が不在。2人のコンサート・ミストレル(石田紗樹・長尾春花)が奮闘しましたね。指揮者が振れば、また違った味付けを楽しめたのではと思いましたが。ハイドンの交響曲から、モーツアルトへ。締めくくりがプロコフィエフの《古典交響曲》とは。プログラム編制がなかなか気の利いたものでした。確かにモーツァルトのホルン協奏曲の実演に接する機会は少ないですね。私も初めての経験でした。

ハイドンの《驚愕》は実に清々しい演奏。モーツァルトのホルン協奏曲は日高剛さんが登場。最初はちょっとオケと間合いをはかるような雰囲気がありました。オケもやや生真面目な演奏になったのでは。もっとリラックスすればと思ったのですが。休憩後の第4番では、面目を発揮。カデンツァも楽しめました。

最期のプロコの《古典交響曲》。快刀乱麻とはこのこと!切れ味の鋭い演奏でした。このあたり、コンサートミストレスの長尾さんのキャラクターでしょうか。ブログをさかのぼると、長尾春花さんの演奏に幾たびか接していることが分かりました。

<演奏>
ホルン:日高剛
管弦楽:東京藝大チェンバーオーケストラ

<プログラム>
ハイドン:交響曲第94番《驚愕》
モーツァルト:ホルン協奏曲第1番、第4番
プロコフィエフ:交響曲第1番《古典》(2014.2.11)


■ 藝大フィル定期演奏会「新卒業生紹介演奏会」

東京藝術大学 奏楽堂にて  2012.4.20(金)

今回の定期は新卒業生紹介。今年3月の音楽部の卒業生から選抜された6人による演奏会とのこと。毎年の定例行事らしい。時間の都合で残念ながら前半の3人だけで失礼した。後半も声楽など興味深いプログラムだったのだが。

最初の指揮の高橋達馬さん。オーケストラからは、いかにもブリテンに相応しい透明な響きが聞こえました。やや緊張があったのでしょうか、スムーズな流れにちょっと欠けていたかな。次のマルティヌーをボストックが振った途端に、やはりプロの力を感じました。オケを統制するのに経験が大きくものを言うようです。

オーボエの金子亜未さん。7月から札響の首席オーボエ奏者とのこと。活躍が楽しみ。マルティヌーの珍しい曲。オーボエに浸透力がありました。

ヴァイオリンの長尾春花さん。当夜の出演者のなかではダントツの音楽力ではなかったでしょうか。小柄ですが気迫充分な演奏。指揮のボストックの親密なバックアップもありましたね。やはり第2楽章を優雅に聞かせてくれました。
そういえば藝大の室内楽定期でも長尾春花さんを聞いていました(2012.2.4)


<プログラム>
・指揮:高橋達馬
ブリテン:歌劇《ピーター・グライムズ》から4つの海の間奏曲
・オーボエ:金子亜未
マルティヌー:オーボエと小オーケストラのための協奏曲
・ヴァイオリン:長尾春花
ドヴォルジャーク:ヴァイオリン協奏曲

指揮:ダグラス・ボストック
管弦楽:藝大フィルハーモニア



戻る