■ 8Kスーパーハイビジョンシアター:マーラー交響曲第3番

2016.12.30 NHKふれあいホール

NHKご自慢のスーパーハイビジョンとかを観覧してきた。
「N響90周年特別公演」(2016.10.6サントリーホール)で演奏された、《マーラーの交響曲第3番》を収録したもの。NHK交響楽団を常任指揮者のヤルヴィが指揮。ほかにソプラノ独唱と合唱団の出演があった。

この8Kスーパーハイビジョンシアターは現行のハイビジョンに比較して8倍(だったか?)の解像度とか。オーディオも22.1チャンネル?とか言っていたが。簡単なチラシ1枚の資料でも期待したのだが。

さすがに眼前の巨大スクリーンの映像はすごい。隅々まで密度が高い。オーケストラ奏者をアップするとリアリティがいよいよ増す。金管楽器に刻印されたメーカー名まで分かるよう。指揮者の視線をうかがう様子までクリアに。これ以上の画像は必要ないなという感じだ。
音響も調整が万全のようだ。ホールの響きが豊かに聞こえる。ホルンとか、観客の拍手が自然だ。先日のMETライブビューイングのPA的な音響とは比べられない。
残念ながら、このふれあいホールでは空調音がかなりあり、肝腎のピアニシモが聞き取れない。

8Kスーパーハイビジョンは万全のハードと思われるが、どうなのだろう。やはり「生には及ばない」と言ったら身もふたもないのだが。
オケに対する視線がカメラマンによってコントロールされるわけだ。自らの意思ではない。コンサートの観客であれば、視線は観客自身の意思によって自在に動く。視線を注いだ奏者の音量は自然にズームして拡大される(他の音がカットされる)。
指揮者を正面から写すと、オケの配置は見かけ上は逆転するのだが、音響はそのままだからやや不自然ではある……これらビデオ鑑賞自身の問題ですね

演奏はヤルヴィ/N響コンビの実力を発揮した輝かしいものだった。ホルンが朗々とホールに響いた。終曲の第6楽章がいつ聞いても心をうちますね!演奏時間は約100分だった。

<プログラム>
マーラー:交響曲 第3番 ニ短調
メゾ・ソプラノ:ミシェル・デ・ヤング
女声合唱:東京音楽大学合唱団、児童合唱:NHK東京児童合唱団
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ 管弦楽:NHKK交響楽団



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