■ 神奈川フィル特別演奏会:名曲への招待  (2016.10.28)

ミューザ川崎シンフォニーホール 2016.10.28(金)

思いもかけずにコンサートの機会がめぐってきた。神奈川フィルの特別演奏会とか。冷たい雨のなか川崎ミューズへ向かった。座席はステージ眼前のかぶりつきだった。

「名曲への招待」と名付けたプログラム編成。副題には、~若手弦楽四重奏団と贈る協奏曲だけの一夜~とある。バロックから近代へと、協奏形態の管弦楽の多様化の歴史をたどるような趣があった。弦楽四重奏団の登場もあり、選曲もなかなか興味深いもので、満足度の高い演奏会だった。

ヘンデルの合奏協奏曲はどこかで聞いたと思わせるやさしい響き。眼前に展開される弦楽合奏に至福の時を感じた。演奏にもう少しリラックス感があればなとは贅沢かな。

続いて、この合奏曲をシェーンベルクが「弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲」に、まとめたもの。ヘンデルの香りが微妙にかおり、弦楽四重奏団の研ぎ澄まされた響きと、オーケストラが厳しく対応するような感じ。全体は精密に構成されている。

オーケストラの多彩な響き――木琴も聞こえる、音色、スケール感など、それぞれが弦楽四重奏との対称ぶりが非常に面白く聞こえる。弦楽四重奏団からのささやきと思わせる小さな響きが、オケへと同心円状に広がっていく様子も楽しめました。

現田茂夫さんの的確な指揮ぶり。それにコンマスの石田泰尚さんの、とんがったガリガリの硬派な演奏が目の前に展開されました。オケを全身で引っ張っていましたね!
最後のバールトーク。いかにも定番曲といった感がありました 。――開演前からトランペットとかがソロの練習を繰り返す様がきこえましたね――。壮大なフィナーレまで楽しみました。

<出演>
指揮:現田茂夫
ウェールズ弦楽四重奏団 崎谷直人、三原久遠、横溝耕一、富岡廉太郎
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:石田泰尚

<プログラム>
ヘンデル:合奏協奏曲 Op.6 No.7
シェーンベルク:弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

<アンコール>
シューベルト:弦楽四重奏曲 第13番《ロザムンデ》から






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