■ 東京都交響楽団スペシャル演奏会 (2006.7.17)








大野和士と都響のスペシャル演奏会、ヴァイオリンの庄司紗矢香もソリストとして参加。ヴァリエーション豊かな曲目と共に実に充実した楽しい夕べであった。
サントリーホール、2006.7.17(月) 祝日:海の日。


モーツァルトの交響曲第31番《パリ》。対抗配置?の小編成のオケ。大野は指揮台を使わず演奏メンバと同じ床に立つ。親密感を増す試みだろうがピッタリはまった。指揮ぶりもゆったりと大きく、早春の陽が降りそそぐきらめくような演奏。演奏会の導入としても雰囲気が良い。

庄司紗矢香のヴァイオリン、何か吹っ切れたようなすごさがあった。
このショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏曲目として選ぶことが、既にある覚悟を表わしているように思う。初めに感じた懸念は吹き飛んでしまった。とくに第3楽章のカデンツァから終楽章に移って、すごい気迫で難曲を弾ききってしまった。

最後のストラヴィンスキーの《火の鳥》。期待通りのよくコントロールされた演奏だった。
座席位置がオケ裏のP席であったので大野の指揮の表情がよくわかった。一段とスケール感が増したのではないか。


<プログラム>
モーツァルト:交響曲第31番 《パリ》
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ストラヴィンスキー:バレエ音楽 《火の鳥》 (オリジナル全曲版)

ヴァイオリン:庄司紗矢香
指揮:大野和士
管弦楽:東京都交響楽団


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