■ 大野和士 都響 : ブリテン 《戦争レクイエム》 (2013.6.18)





東京都交響楽団の第753回の定期演奏会に行ってきた。東京文化会館 2013.6.18(火)
大野和士を指揮者にむかえて、ブリテンの《戦争レクイエム》の演奏。

会場は満席である。先頃、発表になった大野和士の都響音楽監督への就任ニュースの影響があるのだろうか。合唱(200人?)を含めて大がかりな編成、舞台いっぱいで第1Vnなどは舞台前面の袖からこぼれそうである。



今年はブリテンの生誕100年とのこと。その記念イベントだ。東日本大震災犠牲者への鎮魂もあるのか。もちろんブリテンは第二次世界大戦の犠牲者を悼んでいるわけだが。

渡辺和彦さんの解説によれば、曲は二元構造になっているとのことだ。ひとつは、いわゆるレクイエム(死者のためのミサ曲)の典礼文にしたがってラテン語で歌われるもの。ソプラノとオケによって演奏される。それに合唱と児童合唱がしたがう。

もうひとつは、2人の男声(テノール、バリトン)と室内オケによるもの。戦争を告発するオーウェンの詩が歌われる。室内オケは舞台の中央ほど、フル・オーケストラと合唱団の間に置かれていた。

静謐な透徹した音楽が、終始、響きわたった印象である。もちろん「怒りの日」をはじめ、合唱やフルオケが圧倒的に鳴り響いた箇所もあったが。
少年少女合唱隊からは透明な歌声が聞こえました。

やはり、このような大曲に対する大野の鋭い感性を感じる。フル・オーケストラと室内オケとの対比が際立つ。英語の歌詞は直接理解できなかったのですが……。
最後の楽章は大野さんも指揮棒をわきに置いてのリードでした。

終演後に大きな拍手が続いたが、これはやはり、日本でしっかり演奏を聞かせて欲しいとの大野和士へのメッセージでもあったかな。

<プログラム>
ブリテン:《戦争レクイエム》
指揮:大野和士

ソプラノ:リー・シューイン(中国)、テノール:オリヴァー・クック(韓国)、バリトン:福島明也
合唱:晋友会合唱団、児童合唱:東京少年少女合唱隊

管弦楽:東京都交響楽団


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