■ バルセロナ交響楽団の音楽監督に就任  (2014.1.24)

大野和士のバルセロナ交響楽団への音楽監督就任が新聞各紙に報じられている。2015年9月から5年契約とのことだ。
バルセロナ交響楽団といえば、かつてはパブロ・カザルスが指揮したこともあるスペインの名門交響楽団ではないか。オケの名称は、「カタロニア州立バルセロナ交響楽団」が正しいのかな?

【朝日新聞2014.1.24】
  大野和士さん、バルセロナ響の音楽監督に 5年契約。指揮者の大野和士さん(53)が、スペインのバルセロナ交響楽団の音楽監督に就任する。来年9月からの5年契約。所属事務所が24日、明らかにした。
大野さんは、フランスの国立リヨン歌劇場の首席指揮者を務めており、来年4月からは、東京都交響楽団の音楽監督にも就任予定。◆バルセロナ交響楽団では、過去に大植英次さんが常任指揮者を務めていたこともある。大野さんは「バルセロナ響のサウンドは、『地中海の宝石』。オーケストラとの関係を早く確立し、日本の皆様にも『宝石』の輝きをご紹介したい」とコメントしている。

【プレス・リリース】
  日本人指揮者の大野和士が2015年9月からバルセロナ交響楽団の音楽監督に就任することが決定されました。楽団のジェネラル・マネジャー、フランソワ・ボウ氏によると、大野の就任は次の基準によっています。第一に楽団がより発展し華開くよう導く能力。第二に指揮者としての成熟度、そして幅広いレパートリーの経験と知識。第三に国際的な地位とカタルーニャに対する理解と敬意。
大野和士はバルセロナ交響楽団を「音楽性と規律、それにオーケストラの多国籍・多文化の才能が集まって醸し出される音と色彩は地中海の奇跡である」と評しています。
バルセロナ交響楽団は大野が結ぶ契約は5年間で更新の可能性もあります。大野は現在リヨン国立歌劇場の首席指揮者であり、2015年の4月から東京都交響楽団の音楽監督にも就任予定です。

【大野和士からのメッセージ】
日本の皆様へ

 パルジファル伝説を生んだのモンサルヴァットの僧院跡、ガウデイーの建築、 そして、今では現代を代表する、ファッションをも生み出しているバルセロナこそは、 文字通り、人々の、文化の行き交うところと申せましょう。

 楽員の表情を見てもその国際性が、よくわかり、大変見栄えがします。

 そこから演奏されるサウンドは、私は、あえて’地中海の宝石’と呼びたい。

 このすばらしい楽団とは一昨年に初めて共演し、それ以来、楽員からの音楽監督就任への熱い要請を、 今回お受けする運びになったことを大変喜んでいます。

 多種多様なプログラミングと録音などを通じて、このオーケストラとの関係を早く確立し、 その後、日本の皆様の前にも’宝石’の輝きを、ご紹介したい、と思っています。

2014年 1月23日
大野和士


ちょうどバルセロナではバルセロナ交響楽団を指揮した公演が行われた。2014年 1月24日、25日、26日
<プログラム>
武満徹:《ノヴェンバー・ステップス》(首藤久美子:琵琶、三橋貴風:尺八)
R.シュトラウス:《アルプス交響曲》

この演奏会は、日本スペイン交流400周年事業の記念イベントとのこと。→ こちら
2013年は慶長遣欧使節団派遣400周年に当たることから、日本・スペインにおいて「日本スペイン交流400周年事業」が、2013年6月〜2014年7月まで開催されている。
慶長遣欧使節団とは伊達政宗が、1613年(慶長18年)スペインに向け支倉常長を大使とする使節を派遣したもの。サン・ファン・バウティスタ号に乗り、日本人として初めて太平洋を横断。1614年スペインに到着。ローマに至り教皇パウロ5世へ謁見した。


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