■ 大野和士指揮:フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団  (2014.6.28)


 2014.6.28(土) よこすか芸術劇場

大野和士の率いるリヨン歌劇場の凱旋公演は、2009年が第1回である。このときはウェルテルのオペラ《ウェルテル》をもってきた。
今回の来日公演は、昨日(6/27)の愛知県芸術劇場からスタートし、よこすか芸術劇場は2日目。公演プログラムは同じものである。






今回のプログラムは、前半がルーセルとストラヴィンスキーのバレエ音楽。そして後半は管弦楽の組曲である。前後半のいずれも、ストーリー性をもった音楽で、それぞれ高い演奏技術が期待されるものをセレクトしているのであろうか。

ルーセルの冒頭のルーセルの組曲からは、さすがにフランスのオケだなと意識させるような、柔らかなニュアンスの弦の響きが流れた。
《ペトルーシュカ》などは、切れ味の鋭い演奏である。大野和士の特徴的なリズム感にあふれた音楽であった。

後半の《展覧会の絵》。のびのびとした演奏。特に金管楽器群は遠慮なく力を発揮したようである。大野は組曲一つひとつの個性的な音楽を描き分けましたね。「こびと」のグロテスクな響きとか。トランペットに特別の演奏力が必要な「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」とか。さすがに、トランペットは無事吹き終わったようです。
幕切れは、壮大な「キエフの大門」。鐘がうち鳴らされるのが効果的ですね。手持ちのCDはトスカニーニ/NBCの古い録音なので。こんなにクリアな音が眼前に展開されると感激ひとしおです。

アンコールは、ラベルの《マ・メール・ロワ》から、と《アルルの女》から。いかにもオペラ劇場のオケらしい雰囲気を感じましたね。


<プログラム>
ルーセル:バレエ音楽《バッカスとアリアーヌ》第2組曲
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《ペトルーシュカ》
ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》(ラヴェル編曲)


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