■ 都響「作曲家の肖像」シリーズ Vol.106(最終回) 日本 〜武満徹・柴田南雄・池辺晋一郎〜 (2016.3.5)


東京芸術劇場コンサートホール 2016.3.5(土)

ホールに入場するとすでに、池辺さんと大野和士のプレトークが始まっていた。ウロウロと座席を探したが、まさか1階席の最前列とは思わなかった。指揮者の真ん前だ。インターネットでチケットを手に入れたのだが、よく座席位置を確認していなかった。
大野は第5番の初演者とのことで、第9番の初演も希望したが、かなわなかったようだ。


第1曲の《冬》は、いかにも武満徹らしい研ぎ澄まされた音楽だった。畳のような大きな楽譜を見て指揮するんですね!
次の柴田南雄さんの《遊学》は東北地方の祭囃子をイメージしているらしい。ヴァイオリン奏者が楽器を弾きながら舞台を巡ったが、これは楽譜の指定によるものか。もっと楽しい雰囲気でやってほしいと思ったのだが。

池辺晋一郎の第九。作曲は第8と重なったようだ。あの3.11東北大震災に出会って「大自然と個」という視座をもったとのことだ。長田弘さんの詩による歌曲集の形になっている。幸田浩子さん(ソプラノ)、宮本益光さん(バリトン)の出演があった。
長田弘さんの詩は、いずれも自然のきらめきを感じさせる ――水、空、土、森…… だった。

<プログラム>
武満徹:冬(1971)
柴田南雄:遊楽no.54(1977)
池辺晋一郎:交響曲第9番 ソプラノ、バリトンとオーケストラのために (2013)

東京都交響楽団
指揮:大野和士
ソプラノ:幸田浩子
バリトン:宮本益光






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