■ 大野和士指揮:都響 マーラー 交響曲第4番

都響 第819回 定期演奏会 東京文化会館大ホール 2016.11.28(月)

大野和士の演奏会プログラムにはいつも、なんらかのメッセージがこめられているのだが、本日はどうか。ベルク〜マーラーの間にラヴェルがはさまっているのは理由があるのかな。それも左手のための協奏曲だが。ピアニストの意向があるのか。

始めのベルクの《アルテンベルク歌曲集》は大編成のオーケストラが登場。その割に響きがスッキリしている。無調とか。ちょっと夢見心地。
ピアノのアンコールは、ブレーズの「ノタシオン」とか。なかなか印象的な曲。

ラヴェルの「左手のための協奏曲」。座席がちょうどピアニストのななめ左上で弾きぶりがよく見える。右手を懸命に押さえている雰囲気があった。豪壮な開始部から続いて、どこか戦勝気分?を感じたのはおかしいかな

最後のマーラー。第1楽章は気持ちのよいテンポ。第2楽章は死に神のヴァイオリン登場とか。第3楽章のゆったりした気分から、第4楽章のソプラノ独唱へと。マーラーにしては小ぶりな交響曲ですが、大野にとっては自家薬籠中のものか、快調な指揮ぶり。ソプラノの天羽さんも落ち着いた歌唱が座席に届きました。

<プログラム>
ベルク:アルテンベルク歌曲集
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
マーラー:交響曲 第4番

指揮:大野和士
ピアノ:ペエール=ロラン・エマール
ソプラノ:天羽明恵
管弦楽:東京都交響楽団



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