■ 都響 第846回 定期演奏会Bシリーズ ツェムリンスキー《人魚姫》 (2018.1.10)

2018.1.10(水)サントリーホール
今年のコンサートはじめは、大野和士と都響の定期となった。なかなかなじみのない曲目が並ぶ。
そのせいか会場を見渡すとちょと空席がめだつ。こちらはP席だった。
大野の目論んでいる今夜のテーマは、ウィーンの音楽か。

R.シュトラウスの《町人貴族》も初めて聞く曲だ。《ナクソス島のアリアドネ》の母体となった曲とか。
室内楽のように響きが切りつめられ研ぎすまされた印象である。ピアノも加わっている。
都響の木管グループは上手ですね。オーボエがよかった。
最終曲には《ラインの黄金》のモチーフが引用されているそうだ。うつら状態で聞き逃してしまった。
次のツェムリンスキー(1871-1942)。《人魚姫》はだいぶ以前に東フィルの定期で聞いたような覚えがあるだけ。
アルマ・マーラーとのエピソードあったとは初耳だった。

大野の指揮には気合いが入ってましたね。暗譜でした。一般になじみのない、このロマンチックな大曲を浸透させようとの意欲か。
あのアンデルセンの童話がこんな大仰な管弦楽曲に変身するなんて。ステージいっぱいに拡がる大編成オケだった。

冒頭から明らかに海の様子が浮かんでくる。深海からのメッセージか。さすがに20世紀初頭の作曲だけに爛熟したロマンの香りが強い。
いろいろとライトモチーフを活用しているように聞こえる。ダイナミックレンジが広い、フォルテで都響オケの咆哮がホールに響く。

<プログラム>
R.シュトラウス:組曲《町人貴族》
ツェムリンスキー:交響詩《人魚姫》

管弦楽:東京都交響楽団(コンサートマスター:矢部達哉)
指揮:大野和士



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