■ 《ヘンゼルとグレーテル》 DVD再発 (2011.11.8)

ディアゴスティーニという会社をご存じですか?
「隔週DVDオペラコレクション」というシリーズを刊行していますね
各巻1,990円と格安です。私も何巻か購入しています。
あのメットでレヴァインの指揮した《ニーベルングの指環》のDVD各巻が1,990で手に入るとは!

本日(2011.11.9)楽天から案内メールが来て分かったのですが
この11月8日発売の最新刊では
大野和士の指揮するフンパーディンクの《ヘンゼルとグレーテル》が発売されます!

前回、このDVDが発売されたのは、2009/7月である
つい数年前に6千円だかで購入したDVDで、ちょっと悔しい。

グラインドボーン音楽祭の公演を収録したもの。
音楽的にはメルヘン的雰囲気がたっぷり、一方の舞台演出は、現代文明に警告を発するというメッセージがあるようだ。
両者がどうも、かみ合っていない印象であった。

大野の指揮は好調。歌手とのバランスも、オケが大きく鳴りすぎることもない。
第2幕あたり、静かな響き。ローエングリーンを思い出させる。


■ グラインドボーン音楽祭の《ヘンゼルとグレーテル》 (2009.8.31)


2008年8月、大野和士がグラインドボーン音楽祭で指揮をした、フンパーディングのオペラ《ヘンゼルとグレーテル》のDVDを手に入れた。
(DECCA UCBD1095)

このグラインドボーンのオペラ、音楽的にはメルヘン的雰囲気がたっぷり、一方の舞台演出は、現代文明に警告を発するというメッセージがあるようだ。両者がどうも、かみ合っていない印象であった。

イントロから大野和士が登場してくる。精妙な雰囲気すら感じる序曲から始まって、大野の指揮は好調。
歌手とのバランスも、オケが大きく鳴りすぎることもない。第2幕あたり、静かな響き。ローエングリーンを思い出させる。

舞台はダンボール・ハウスから始まる。思いっきりリアリスティックなセット。元気よく子供たちがはね回る。
グレーテル役はぴちぴちした歌・演技ともに魅力的。
魔女は男声テノール。これがなかなか効果的だったと思う。威圧的な歌唱と、変身ぶりにショックがある。

このDVDにはボーナストラックがあり、出演者と制作スタッフへのインタビューが収録されている。
もちろん大野和士はピアノを自ら弾いて要所を紹介する。

序曲の導入部から始まり、第2幕から第3幕へと。音楽的にはワーグナーの影響があることを明瞭に提示してくれる。
第2幕の森の場面は、このオペラで最高の音楽だと言う。このオペラのメッセージは、試練を通して喜びを勝ち取ること。
フィナーレは当然、解放された喜びの爆発のはず。

演出のロラン・ペリィが登場したが、演出のコンセプトは大野和士とまったく逆である。180度方向が違う。
テーマは現代の物質文明と環境破壊とのことだ。
第1幕のダンボール・ハウスから始まってスーパーマーケットまで。
これは物質文明の象徴。第2幕は環境を破壊された森のシーンだ。最終幕フィナーレに登場する肥満児たちも。


指揮:大野和士
演出:ロラン・ペリィ
管弦楽:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

ヘンゼル:ジェニファー・ホロウェイ(メゾ・ソプラノ)
グレーテル:アドリアーナ・クチェロヴァー(ソプラノ)
母:イルムガルト・フィルスマイアー(ソプラノ)
父:クラウス・クトラー(バリトン)
魔女:ヴォルフガング・アプリンガー=シュペルハッケ(テノール)
眠りの精:エイミー・フレストン(ソプラノ)


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