■ 神奈川県民ホール オペラシリーズ2015 《オテロ》 (2015.3.22)




















ヴェルディ:歌劇《オテロ》全4幕
2015.3.22(日) 神奈川県民ホール

晴天の一日。桜の開花を待つ山下公園をめぐり、県民ホールのマチネー公演に向かった。
ホール3階席からは、ちょうど舞台全景が目に入る。オケピットの沼尻さんの指揮ぶりがよくわかる。ヴェルディの音楽的な迫力がそのまま伝わってくるような指揮ぶりである。本日の公演はオテロにイタリア人歌手を迎え、デスデモナはごひいきの安藤赴美子さん。神奈川フィルの熱演をふくめてレベルの高い演奏を楽しみました。

第1幕冒頭の嵐の場面。なかなかの迫力――ひょっとしてPAが入っていたのかも。水色の波を上下に揺り動かして嵐を現すのは効果的。オテロが堂々と登場し印象的。

オテロは嵐の場面の登場からして迫力満点。終幕にむかい次第に心理的に追いつめられていく、難しい内面的演技が必要だろう。デスデモナの安藤赴美子さん。舞台姿は素敵でした。ちょっと音程が不安定に聞こえたのですが。イアーゴがよかったです。悪役ぶりが際立っていました。

どうも装置デザインが気にかかった。寒々しい雰囲気。戦いに敗れた廃城のようでもある。淋しいキプロス島なのか。オテロの心情を暗示しているのかな。豪華絢爛のヴェネチアを舞台にした演出を観たような記憶があるが。

改装後の県民ホールへ久しぶり。どこが改善されたのだろう。3階では空調音のようなうなりがかすかに聞こえた。

<キャスト>
オテロ:アントネッロ・ベロンビ
デスデモナ:安藤赴美子
イアーゴ:堀内康雄
エミーリア:池田香織
カッシオ:大槻孝志

指揮:沼尻竜典
演出:粟國淳
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団


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