■ サイトウ・キネン・フェスティバルに行ってきた (2004.8.22)

サイトウ・キネン・フェスティバルのオーケストラ コンサート<Aプログラム>に行ってきた。2004年8月22日(日) 長野県松本文化会館

文化会館は総合体育館と同じ敷地内にある。松本駅からバスで20分ほど。ところが駅のバスの出発場所が、いわゆる駅前ではなくて、向かいのビルの地下ということでちょっととまどってしまう。ちょうど同じように開演時間を目指すためか、いずれも文化会館までの乗客で満員。あいにくの雨模様で少しぱらつきだす。さすがにホールの中は祝祭モードが充満。いつものコンサートとは違って正装の人も目立つ。こちらはポロシャツという軽装で失礼。終演後はかなり強い雨に降られてしまった。



【プログラム】
・ヴェルディ:《運命の力》序曲
・望月京:ホメオボックス
ピアノ:児玉桃
ヴァイオリン:豊嶋泰嗣
・ファリャ:バレエ音楽《三角帽子》全曲
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:大野和士






運命の力》はベルディの序曲のなかで、最も緊張感と躍動感にあふれた曲だと思う。冒頭の金管の斉奏から、あおるような弦合奏が始まる。カンタービレにあふれた木管が続く。サイトウ・キネン・オーケストラは始めて聞きましたが、噂に違わぬきちっとしたアンサンブル。弛緩がありません、大野の指揮も緊張感の高いものでした。清々しい演奏だったと言うべきでしょうか。

望月京の《ホメオボックス》。初演だったのでしょうか、終演後作曲者が舞台に呼び出されましたね。女性でした。打楽器が色彩的に活躍するのに注目されました。大野はリズムをきちんと刻んで振りました。混沌のなかから生命が誕生し活動する。終始、心臓のリズムを刻む。やがて死に至る、という流れでしょう。ピアノやヴァイオリンのソロは、それぞれ一つの生命体らしい。

三角帽子》といえば、アンセルメ−スイスロマンドのコンビで英デッカのアナログの名録音が忘れられませんが。地方の代官が美人の粉屋の女房に一目惚れして、結局はコケにされて大団円になるというバレエ音楽。2カ所ほど、メゾ・ソプラノが入りますが、寺谷千枝子さんとのこと。特に序奏は舞台裏から効果的でした。「若い奥方よ、かんぬきをしっかりかけておきなさい、……」と。オケの「オーレ」のかけ声、もっと思い切って出してもよかったのでは?

いかにもスペイン風の舞曲が続きます。情熱的、リズムも激しい。粉屋の踊りでは、冒頭のホルンが実にすっきりと鳴り響きました。改めてサイトウ・キネン・オーケストラの管楽器群にの実力も見直しました。《運命》のパロディが鳴る。

終曲は、豪華絢爛です。大野の指揮は、ゆったり落ち着いたテンポだったのですが、さすがに、最後の盛り上がりはすごいものでした。オーケストラも混濁しないで、崩れもせずに響きました。このようなフォルテ感は初経験!



いつまでも続く拍手に、大野と共にオケのメンバーも舞台に再び出てきました。よい雰囲気でした。前の席は、田中康夫 長野県知事と 美女(Who?)の カップルでした。




翌日、小布施(おぶせ)、上田・別所温泉と回ってきました。小布施は信州の鎌倉とのこと、葛飾北斎の記念館ほかがあります。別所温泉にはかなりの寺院があります。安楽寺の国宝 八角三重塔など静かなたたずまいが忘れられません。アルバムは →こちら


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