■ シューマン:交響曲 第2番 (2015.8.2)

このところシューマンの交響曲――とくに第2番、にはまっている。
5月に聞いた某アマオケの定期演奏会の山下一史さんの指揮に触発されたことが大きい。⇒ こち

この交響曲、冒頭からシューマン以外には考えられない、オーケストラの重厚な響き。暗い雰囲気をかもす。一方、金管の響きにどこか祝典的なものを感じる。第2楽章はスケルツォオなのか、活発な動き。 第3楽章が特に印象的。瞑想的な、メランコリックとも思える、弦を中心とするメロディー。感傷的にもならず演奏も素晴らしく感動的でしたね。オーボエがしみ通り、ここで十分満足しました。
この第3楽章の主題はバッハの《音楽の捧げもの》から来ているとのことだ。

シューマンの交響曲についてインターネットを検索してみると、東京交響楽団の前任音楽監督ユベール・スダーンと音楽評論家・舩木篤也さんの対談記事がなかなか興味深い。東京交響楽団のHPに在り、「2009年 特別対談 スダーン×舩木篤也 特集:シューマンを語る」というテーマ。 ⇒ こちら
第2交響曲 ⇒ こちら (PDFファイルで日付が記入されていないが2009.11.7のようである)

この対談では、舩木篤也さんが、「個人的には、私にとって第2交響曲は『無人島に持って行くならこれ』というような曲でして……」と。これに対しスダーンは「あの第3楽章があるからでしょう」と応えている。

対談のやりとりに、おもわず我が意を得たりと、膝を打った。確かに、この楽章にはなにか深いところから伝わってくるメッセージがある。無人島とはいわず、どこかの人生イベントで聴きたいなと感じていたのだ。


CDの手持ちは3セット。トスカニーニを見直しました。
(1) トスカニーニ指揮/NBC交響楽団
全体にテンポは速いのだが、第3楽章は清冽な演奏だ。シューマンへの共感を思わせる。
第2楽章のスケルツォはトスカニーニの面目躍如。他に《ライン》も録音しているはず。

(2) シノーポリ指揮/ドレスデン国立管弦楽団
センシティブな演奏。聞くのがつらくなるような、思い入れの強いもの。

(3) ジョージ・セル指揮/クリーブランド交響楽団
思いもかけずゆったり落ち着いた演奏





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