■ ジョナサン・ノット指揮 東響 《パルジファル》 抜粋 (2015.3.13)





東京交響楽団 川崎定期演奏会 第19回
2015.3.13(金) ミューザ川崎シンフォニーホール

チケットはLA席なので、ほとんど舞台の真横。オーケストラのクリアな響きが味わえる。指揮者の動きはばっちりなのだが、ソリストは背中しか見えない。




最初のベルク。CDでも何回か聞いたことがあるはず。緊張感のあるドラマであることは分かる。やはり12音技法にはストレートに反応できない。

メインプロの《パルジファル》。1時間ほどに、前奏曲〜第2幕から〜聖金曜日の音楽とまとめてある。うまく抜粋してあると思う。これ以外のまとめ方は難しいのでは。第2幕からは、クンドリの口づけによってパルジファルが救済者へと変身するくだりである。

《パルジファル》のオペラ全曲は長大である。どこか神秘主義の雰囲気を感じて全曲はとても我慢できない。抜粋では清浄な響きが感じられる。とくに「聖金曜日の音楽」ではワーグナーの音楽の中でとびぬけて静かな充足したものが響いてくる。

ジョナサン・ノットの指揮を聞くのは初めて。前奏曲から、第2幕へと入る部分。雰囲気ががらりと変わってほしいと思っていたのだが。そのまま前奏曲が続くような様子。指揮者、オケ共にもっとオペラティックにやってほしい。
パルジファルのテノールは愚直な青年から、成長するさまが堂々とした歌唱でスケールが大きい。ソプラノは座席位置の関係でよく聞こえなかったのが残念。


<プログラム>
ベルク:抒情組曲から3つの小品
ワーグナー:舞台神聖祝典劇《パルジファル》抜粋
第1幕への前奏曲〜第2幕から抜粋〜聖金曜日の音楽
クリスティアン・エルスナー (パルジファル/テノール)
アレックス・ベンダ(クンドリ/ソプラノ)

指揮:ジョナサン・ノット 東京交響楽団


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