■ トヴェイトの音楽 《ハルダンゲルの100の旋律》 (2007.3.3)






例によって廉価CDの、NAXOS盤の探索であるが、久しぶりにぴったし感のある曲に巡りあった。「癒し系」というやつか。

ノルウェーの作曲家、トヴェイト(Geirr Tveitt、1908-1981)がノルウェーの民謡を管弦楽に編曲したもので、《ハルダンゲルの100の旋律》と題するもの。ハルダンゲルとは、トヴェイトが住んでいた地名らしい。100曲とはいうものの、40曲は自宅の火災にあって、焼失したとのことだ。

CDには、第1組曲(第1-15番)と第4組曲(第46-60番)が収められている。演奏は、ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団で指揮はビャルテ・エングスト。録音は、2000年4月にスコットランドで行われたとある。

物静かな、いかにも北欧を思わせる曲が並ぶ。控えめなところ、押しつけがましくないのが、特徴だろうか。時に、グリーグの《4つのノルウェー舞曲》を思わせる旋律が出てくる。しかし、あのグリーグの編曲のような、華やかさはない。オケの編曲もおとなしくないか。いかにも鄙びた感じである。

第1組曲の方がどちらかというと耳になじみがよい。なかでも、第1、5、15番あたりが好みだ。

第1番「名誉ある出迎え」。ハープのアルペッジョ風から始まる。フルートの調べが何かもの悲しい。メロディは洗練されている佳曲である。
第3番「この世で最も美しい歌」。低音の弦でしっかり歌う。
第5番「木造の教会の歌」。落ち着いた雰囲気。木管(フルート/オーボエ?)のメロディが印象的で、くり返される。
第15番「最後の告別」。叙情的でこれも静かな雰囲気。旋律も魅力的だ。バーバーの弦楽曲を思わせる。


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