■ 若林顕:ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 全32曲 第8回  …《戦争ソナタ》も! (2015.7.10)















戸塚区民文化センター さくらプラザ 2015.7.10(金)

当夜のプログラムは、ベートーヴェンとプロコフィエフ、それぞれのピアノ・ソナタを組み合わせたもので興味深い。若林顕さんには、どのような意図があったのだろう。あまりにもプロコフィエフの演奏が強烈だったので、慣れ親しんだ名曲《月光》の記憶もどかへ飛んでしまった。

プロコフィエフの《戦争ソナタ》は、第6〜8番の3曲のソナタの総称。いずれも第二次世界大戦開戦初期の1939年に作曲が始められたので、この異名があるらしい。ソ連当局が戦争意識高揚のために、この名称をあえて利用したとの説もあるのか。

《戦争ソナタ》は、実演に初めて接した。スケールの大きさやダイナミズムに圧倒された。それにしても、あれだけ、若林さんの演奏に強く揺さぶられたのに、あらためてYouTubuなどで聞くと――あいにくCDの手持ちがない―― 第8番は戦争ソナタのなかでも叙情的な雰囲気があるようだ。演奏にはとにかく精神的タフネスが必要ですね!

第1楽章は、冒頭から不安定な様子、調性もはっきりしないよう。作曲当時の時代の雰囲気を反映しているのか。どこか巨大性を感じるが。第2楽章にはリリックな面が。第3楽章は活動的。ときに暴力的とも感じられる響きがあった。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第13番と14番。いずれもロマンティックな優雅な曲だ。


<出演>
ピアノ:若林顕

<プログラム>
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第13番、ピアノ・ソナタ 第14番《月光》
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第8番《戦争ソナタ》(2015.7.10)


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