■ 次期音楽監督に指揮者の大野氏 モネ・オペラ劇場

日本経済新聞2000.3.23朝刊から。
トスカニーニコンクールの言及などで誤りがありますが、原文のまま引用しました。
また朝日新聞2000.3.24朝刊にも、同様の記事が掲載されました。

ブリュッセルのモネ・オペラ歌劇場の次期音楽監督に指揮者の大野和士氏(40)が就任することが、23日決まった。同歌劇場のベルナール・フォークロール総支配人が発表した。就任は2002年8月から。

大野氏は東京芸大大学院修了。1987年ブタペスト・トスカニーニ国際指揮者コンクールで第1位となり、ザグレブ・フィルの音楽監督などで活躍。現在、東京フィルハーモニー交響楽団アーティスティックアドバイザーを努めている。

記者会見した大野氏は「大変名誉なことで、とてもうれしい。欧州の中心にあるブリュッセルで、新しい創造に向けて新時代を築きたい」と抱負を語った。




■ 大野和士、ベルギー王立歌劇場音楽監督に就任
(記者発表から)

ベルギー王立歌劇場 (通称モネ劇場)は、3月22日の記者会見で、2002年9月のシーズンより、大野和士(40) (現バーデン州立歌劇場音楽監督)を、音楽監督に迎えると発表した。モネ劇場は、300年の伝統を誇るヨーロッパ最古のオペラ劇場の一つ。前支配人モルテイエ(現ザルツブルグ音楽祭総支配人)の時代を経て、現在では世界の最も重要なオペラハウスに数えられるように発展した。大野は、現音楽監督アントニオ・パッパーノ(2002年より英コベント・ガーデン王立歌劇場音楽監督に就任)の後任として、10名に及ぶ候補者の中から選出された。

劇場支配人ベルナルド・フォクロ氏は、選定の理由として、「1999年9月のガラコンサートの成功で一躍、楽員、聴衆の支持を集めたことに加え、大野のドイツの著名なオペラハウスでの、華々しい活動や、東京などでの未上演作品の発掘などの意欲的な活動による、古典から現代作品までを網羅する膨大なレパートリーが、ヨーロッパ統合で一層注目が高まるブリュッセルの、新しい時代をリードするのにふさわしいと判断した」と述べた。

契約は3年の予定。初年度には、「エレクトラ」(R・シュトラウス)、「バラータ」(フランチェスコーニ、世界初演)、「アーサー王」(ショーソン)、「ドン・ジョバンニ」(モーツァルト)などのオペラのほか、マーラー交響曲第2番をはじめ、多くのシンフォニーコンサートが予定されている。
就任に先立ち、2000−2001年のシーズンの3月に、シャリーノの室内オペラ「我が裏切りの日々」、2001−2002年のシーズンの9月に、シンフォニーコンサートで、マーラーの交響曲第7番を指揮することが決まっている。



ベルギー王立歌劇場(通称モネ劇場)の歴史
ベルギーの首都、そしてEC本部ブリュッセルの中心地にある王立歌劇場は、モネというニックネームでヨーロッパの聴衆に親しまれている。15世紀に、フィリップ善良公治世下のブルグンド公国の中心都市であったブリュッセルは、ヨーロッパの交通の要衝として栄え、織物業、金細工などの通商で巨万の富を得た。この当時の貨幣鋳造工場の跡地に、1700年オペラハウスが建てられたため、創立から300年を経た今でも、"お金"(フランス語で"モネ")という名で呼ばれている。

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