■ 大植英次の指揮する ハノーファーNDR ベートーヴェン 《英雄》 (2004.6.11)



大植英次
(おおうえ・えいじ) は1998年10月からハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーの主席指揮者を務めている。1995年から2002年はミネソタ管弦楽団の音楽監督も務めているそうだ。そして、2005年夏にはバイロイト音楽祭で 《トリスタンとイゾルデ》 を指揮することが決まっている。期待が大きい。


大植とハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーのコンビの来日は初めてか。サントリーホールの公演を聞いた(2004.6.9)。曲目は、ブラームス《悲劇的序曲》、R・シュトラウス《死と変容》 そしてベートーヴェンの《英雄》。

オケの音色は鮮明ではありません、ややくすんでいるかな との印象。ブラームスはこの落ち着いた音色に合っていたようです。R・シュトラウスでは、指揮者の構想にオケがついていけないのではと感じましたが。

英雄》がやはり聞きものでした。オケの並びも対抗配置 響きのバランス・アンサンブルも万全。やや速めのテンポで 爽快な演奏でした。第2楽章は ちょっとメリハリを効かせていましたね。全体に いまひとつスケール感があれば100点満点でした。

ホルンの3人の女性奏者は完璧でした。フルートも女性。オーボエは男性に代わったようである。親密感の感じられるオケとともに指揮者の誠実さと熱意のあふれた演奏会でした。

それにしても大植さんの指揮姿。初見参ということもあり見ている方も力が入り疲れました。大きな身振りで まるで器械体操のよう、前屈も伸身もありました。

アンコールは、《ローエングリーン》 前奏曲ほか3曲も。たっぷりのサービス精神!


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