■ ペルゴレージ 《スターバト・マーテル》 ブリリアントのDVD (2002.4.27)

超廉価版でおなじみのブリリアント・レーベルからDVDが出た。カタログを見ると、8枚ほど発売されているようである。バッハのマタイ受難曲とかヨハネ受難曲もある。この2曲は、原盤事故とのこと入手できない。HMVで購入したのはペルゴレージの《スターバト・マーテル》 (BRILLIANT 99932)、1,990円。収録時間は37:49分だが、通常のDVDと比べれば抜群のコストパフォーマンスですね。

演奏メンバは、ソプラノ、カウンター・テナーに加えて、合奏は超シンプルである。ヴァイオリン×2(女)、ヴィオラ(男)、チェロ(女)それにヴィオローネ(男)の計4人。指揮者がオルガン演奏を兼ねる。このオルガンは映像から見ると、ボックス型の電子オルガンのようだ。声楽の2人はいずれも20代とも思える若さ。ソプラノはやや生硬な感がありますが、誠実な歌いぶりです。カウンター・テナーも落ち着いています。弦楽器の演奏は、家庭的な雰囲気がある。ヴィオローネの演奏には興味があったのですが、アップが少ないのは残念。指揮者もてらいがない。

画像は、全景とアップを切り替えるもので凝った演出はありません。シンプルであるが故に、逆にせこせこした雰囲気がありません。画面のアスペクトは16:9。字幕は出ません。画質は、拙宅の低価格DVDプレーヤでは判断できませんが、ほかのDVD映像に劣るようには思えません。オーディオは5.1チャンネルと表記されています。よく聞くと、石造りの教会のせいでしょうか、素直な響きが聞こえます。

ペルゴレージは1710年イタリア生まれ。1733年に発表した 歌劇《誇り高き囚人》の幕間喜劇 「奥様女中」で一躍名を馳せる。《スターバ・トマーテル》は白鳥の歌。音楽院を卒業した1729年頃に大半を書き終わっていたが、完成したのは1736年。死の年、26歳であった。オペラ作曲家としてデビューしてから、わずか5年の命とは。

悲しみの伝わってくる、ペルゴレージの優雅な響きを楽しめたDVDでした。ヴィデオの楽しみは、演奏会場の雰囲気を楽しめること。演奏者それぞれの表情も、ちょっとしたお互いの合図も楽しいもの。古楽器が使われている場合はいっそう興味が増します。





◆《スターバト・マーテル》 (悲しみの聖母)
(第1曲) 悲しみに沈める御母は
悲しみに沈める御母は 涙にむせびて、御子のかかり給える
十字架の下にたたずみ給う
(第12曲) この肉体は死して朽ちるとも
この肉体は死して朽ちるとも われらが魂には
天国のよろこびを受けさせ給え アーメン


◆Angharad Gruffydd Jones,soprano Lawrence Zazzo,counter-tenor
◆Cambridge Ensemble,Timothy Brown
Julia Bishop,Joanna Parker,violin Peter Whiskin,viola
Joanna Levine,cello Mark Levy,violone Timothy Brown,organ/director


戻る