■ 『ウェブ・ユーザビリティ 顧客を逃がさないサイトづくりの秘訣』 (2002.3.30)


本書はウェブの使いやすさ――ウェブ・ユーザビリティに、指針を与えようとするもの。インターネット上のサイト・デザインを優れたものにするテクニックをまとめている。実戦的なすぐにでも利用できるものが並んでいる。ある意味で禁欲的とも言えるルールである。本書のカバーデザインを一目すれば了解するだろう。このシンプルさはどうだ!

原著の発刊年を確認することができないのだが、大部前ではないかと思われる。前提とするハードウェアが、56kbpsモデムと貧弱なのである。もちろん、現今のブロードバンド時代には、新しいデザイン・ルールがこれから提案されるかもしれない。

本書に挙げられているデザイン・ルールから主要なものををひろい出してみよう。

ページデザイン
ページが表示されるまでの応答時間は1秒未満でなければならない。ユーザーが注意力を持続できる限界は10秒だという。
◆システムが即座に応答していると感じるのは、10分の1秒。画面表示が遅いと感じても、思考の流れを途切れさせない応答時間は1秒が限度である。
◆最初の一瞥で見渡せ、すぐに行動をとれること。特にページの冒頭部は即座に表示されること。
◆リンクの説明文(アンカーテキスト)として「ここをクリック」のようなのは使わないこと。例えば「ミツバチに関する飼育情報があります」とすること。
◆関連したリンクはページ上部に置くこと。そのページを全て読み終わらなくても、リンクがあることに簡単に気が付くから。

コンテンツデザイン
◆文章は簡潔に書くこと。斜め読みができるように書こう。細かく段落を区切って見出しを付けたり、箇条書きにまとめる工夫をすること。
◆画面上の文章を読む速度は、印刷した文章に比べて25%遅くなる。
◆新しいページを見るとき、79%のユーザーが斜め読みをしている。すべての文章を読むユーザーはほんのわずか。

サイトデザイン
◆「私はどこにいるの?」と「このサイトは何をしてるの?」という質問に答えられるように、わかりやすい名前を大きく表示すること。
◆ほとんどのユーザーは検索エンジンに頼る。目的地までのリンクをたどることを嫌う。

<ホームラン・ウェブサイト> ――サイト訪問者がリピーターになる理由
高品質なコンテンツ
頻繁なアップデート
最小限のロード時間
使いやすさ


◆『ウェブ・ユーザビリティ 顧客を逃がさないサイトづくりの秘訣』ヤコブ・ニールセン著、篠原稔和 監修/グエル訳、エムディエヌコーポレーション、2000/8

◆ウェブ・ユーザビリティについては、こちらのサイトが参考になります → Webユーザビリティ

野口悠紀雄著 『ホームページにオフィスを作る』はこちら


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