■ 鉱石ラジオの時代 (2010.3.9)




←インターネットで見つけた古典的鉱石ラジオの写真











いま、鉱石ラジオと言っても、すぐに様子が浮かんでくるような人は少なくなってしまったのだろう。
先日、米国ノンフィクションの翻訳本を読んでいたら、「水晶式ラジオ」なるものが出てきた。
何のことだろう?しばらく頭をひねくったが、この原語は"crystal radio"だろうと気がついた。であるなら、「鉱石ラジオ」が適訳ですね。
この訳本の代表は筑紫哲也だ。当然、鉱石ラジオを手にした世代だろうと思われるのだが。

かつて昭和の少年は、ほとんどが「ラジオ少年」だったのではないか。
家庭での娯楽はラジオ中心だったし、ラジオの裏ぶたを開けて、ほのかに輝く真空管のフィラメントにに、どこか神秘の思いを抱いたものだ。
そして、科学技術への驚異への念が芽生え、成長とともに電機業界への道を歩ゆみ、否応なく高度成長の一端を担ったのである。

現在、あのソニーにしても、韓国のサムスンやLG電子の後塵を拝しているのはさびしい状況である。
韓国、中国の人びとのアグレッシブさに日本人は学ばなければいけないだろう。

鉱石ラジオとは言っても、当時はゲルマニウムが普通だった。
構成も単純である。検波器として、鉱石・ゲルマニュームなどを用いて、それにコイル、可変コンデンサー(バリコン)を組み合わせる。
レシーバーとして普通はクリスタルイヤホン――ロッシェル塩などの圧電素子を用いたもの――を使った。
アンテナが重要である。家庭の100V電源コンセントの片方に、コンデンサーをかまして線をつなげた電源アンテナと称したものを使ったものだ。

いま鉱石ラジオは、ノスタルジーの対象となっているようである。
インターネットを検索すると、さまざまなサイトがヒットする。
製作キットも通販で簡単に入手できるようになっている。自分でコイルを巻くものから、部品を組み合わせるものまで。アンテナも必要だ。
いろいろバリエーションがある。 こちら → シャンテック電子

また、書店でよく見る、ムック形式でキットが付属しているものでは、
学研の「大人の科学製品版」に「磁界検知式鉱石ラジオ」というのがある。

こちらは、ペットボトルにエナメル線をまいて作るのだが、なかなか手強そうだが面白そう。。
まわりに小学生がいたら、一緒にどうだろう。孫と一緒に夏休みの宿題に完成するなんてぴったり。
→ ペットボトル鉱石ラジオの解体新書


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