■ フィールドテストの奥行き (2010.4.27)

マイクロソフトが、最新版の「クラウドベースPC管理サービス」のベータテストを開始したというニュースがあった。このソフトは、「Window Intune」と名づけたクラウドベースのツール群だ。Windows7を利用して企業のPC管理を簡素化するとのこと。ベータテストはすでに米国やカナダで開始されている。

ベータテストとは、ソフトウェア製品の正式出荷に先だって、直前のバージョンをユーザに実際に使用してもらい、機能・性能や使い勝手などを評価してもらうテストのことだ。製品に対する品質保証のひとつの施策である。

ソフトに限らず、一般の工業製品でも正式出荷前のテストは、各社とも工夫をこらして厳格に行っている。クルマ・メーカーでは、開発段階の工場試作車と、生産段階の量産試作車の2段階で行うのが普通のようだ.工場試作車で摘出された課題を修正して量産試作車をつくり、目標とした品質基準のすべてが、最終的にクリアされていることを確認する。
走行テストも実際に販売現地で行う。24時間以上走り続け、ハードな走行テストを繰り返す。高度の技術をもつドライバーが、ハンドリングや走行性、エンジン音などあらゆるポイントをチェックする。走行距離によるエンジン性能の変化やタイヤの減り具合などもデータ化して評価するという。








ここで急に個人的な話題に転換するのだが……
話題のエコー・カー割引によって、最近コンパクト・カーに乗り換えた。H社のFである。さすがに今までの3ナンバーに比べるとはるかに低燃費であるが、しばらく乗っているうちに、安全運転面に問題があるなと、気になってきた。




ひとつは、フロントガラスへの映り込みがかなり激しいこと。フロントガラスの傾斜と、ダッシュボードの角度がちょうどマッチして、ダッシュボード上面がドライバーの視界に映り込む。太陽光を正面に受けて走るときなど特に気になる。

原因はどうも、スタイル優先のためか、フロントグラスの傾斜がきつすぎることにあるようだ。一方で、実際の走行テスト――フィールドテストというのか――では、ドライバーの視界の見やすさまでチェックしたとはとても思えない。出荷前テストの不足ではないか。テストに対する感覚――奥行きがまったく足りないのでは?

フィールドテストは、ユーザ環境において実際に使ってもらって、機能・性能を確認すること。安全性が特に重視されるクルマでは、現実の運転環境でのテストの重要性は論をまたない。


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