2000年1月27日(木) Bunkamuraオーチャードホール
東京フィルハーモニー交響楽団 オペラコンチェルタンテシリーズ 第19回
指揮 大野和士
グレーテ(ソプラノ)岩井理花、フリッツ(テノール)吉田浩之、グラウマン(バス)藪西正道 他
満席とは行かないが、盛況であった。初演への期待が大きかったのだろう。
終演後に温かい拍手が続いた。残念ながら座席がステージから遠く、
R.シュトラウスを凌ぐといわれるオーケストラの魅力は十分には味わえなかった。
上演に先立って恒例の大野和士のプレトークがあった。
・シュレーカーの1980年代の復活
・一貫して流れる「はるかなる響き」の魅力あるテーマ
・マーラーとのつながり
《亡き子をしのぶ歌》から借用したテーマ
シュレーカーはマーラー第8交響曲の演奏時、合唱指揮を担当
・第2幕でオーケストラに新機軸を採用
舞台後方、右手にジプシー音楽、町の雑踏を現し舞台と同時進行
・第2幕のテキストはフロイトに影響されている?
・響きを味わってください
第1幕、幕開きのテンポからして慎重すぎたのではないでしょうか、
初演というプレッシャーだろうか?
グレーテ役にはもう少し透き通った力強さが欲しかった。
第2幕ではオーケストラの威力が発揮された。
第3幕になって、俄然演奏と聴衆の波長が合ってきた。
大野和士が言うところの「響きを味わって下さい」の意味がわかってきた。
こちらも幕間のコーヒーでリラックスした効果ですね。
抒情的な場面ではグレーテも映えて、いい感じでマッチする。
長いオーケストラの間奏曲、まるでセンチメンタル映画の伴奏。
一貫してはるかなる響きのテーマが流れた。