■ 《ウィリアム・テル》 (2024-11-28)
指揮の大野和士は体調が気遣われたのだが、カーテンコールの足取りもしっかりしていたので一安心。
もちろんオケの指揮は、期待を裏切らなかった。オペラティックな雄弁なものだった。
それにしても、この5時間をも超えようという「グランドオペラ」はどうなのか。
現代に蘇演する意味があるとは思えないのだが。
……いかにも長い、それに舞踏、大がかりな合唱とか。
あの軽やかな「序曲」の雰囲気がどこにも再現しない。
どうも最後の第4幕は、付け足し感があったのでは?
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◆ 朝日新聞に音楽評論家・長木誠司さんの批評が載った (2024-12-12)
オペラ部門芸術監督大野和士の意欲が、ヤニス・コッコスの演出からもキャスティングからも伝わってくる新制作。
初演後にパリで流行(はや)りだした、グラントペラ(グランドオペラ)の空気を彷彿(ほうふつ)させる合唱やバレエも大活躍。
会場を大いに沸かせた。
有名すぎる序曲から、大野の関心は喜劇とは一線を画すロッシーニのシンフォニックな側面へ。
ドニゼッティではなく、マイアベーアやワーグナーへと連なっていくスタイルだ。
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■ジョアキーノ・ロッシーニ ウィリアム・テル<新制作>
全4幕〈フランス語上演/日本語及び英語字幕付〉
指 揮:大野和士
演出:ヤニス・コッコス、舞台監督:橋尚史
ギヨーム・テル(ウィリアム・テル):ゲジム・ミシュケタ
アルノルド・メルクタール:ルネ:バルベラ
ヴァルテル:フュルスト:須藤慎吾
メルクタール:田中大揮
ジェミ:安井陽子
ジェスレル:妻屋秀和
ロドルフ:村上敏明
マティルド:オルガ・ペレチャッコ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
新国立合唱団
<新国立劇場 サイトから>