■ 『クラウド「超」仕事法』 スマートフォンを制する者が未来を制する  (2017.12.28)









いま遅まきながらスマホを手に入れあれこれ試行錯誤している。この際とばかりに、本棚の片隅に放り込んでおいた、野口悠紀雄さんの著作を再読してみた。2011年の刊行であるが、スマホ初心者にはなかなか刺激的である。




スマホでインターネットを能動的に使うべし、というのが本書のテーマ。スマホによって変わったポイントが2つあるという。
@情報のアウトプット(閲覧)が、どこでもできるようになったこと 出先でGメールをチェックできる。Gメールの添付ファイルには巨大な情報が蓄積されている。
A情報のインプット(取り入れ)が自在になったこと 付属のデジタルカメラで何でも撮影できる。これをメモとして活用できる。新聞記事を撮影する場合もかなりある

仕事を進めるうえで、アイディアは大きなキーワードだが、スマホはアイディア創出装置になるだろうか。無理だろうな。アイディアが生まれやすい環境を作ることはできる。アイディア創出は以下のようなステップを踏むはず。
@問題意識と基本的な情報を、頭の中にぎゅうぎゅうに詰め込む。そして歩くこと。
A考え続けていれば、何らかの拍子にアイディアがひらめく。ニュートンの万有引力の発見にしても、重要なことはリンゴが落ちたことではなく、それに先立ってニュートンが考え続けていたということ。突然のアイディアを紙に書き留めるにしても、スマホで撮影して記録するのが有用だ。

スマホやクラウドが利用できるようになって、紙は必要なくなったか?そんなことはない、紙の使用はむしろ増えたと著者はいう。「ディジタルオフィスは、ペーパーレスオフィスと同義語ではない」と。もっとも重要なことは紙に向かってやっているのだ。

たとえば、原稿のアイディアは紙にメモを手書きしている。歩きながら、あるいは寝転がって。散歩の途中でアイディアが浮かぶことは非常に頻繁にある。ある程度書き進んだ原稿は、紙に打ち出して修正している。印刷したほうが読みやすい。人間とのインターフェイスは紙のほうが優れているのだ。スケジュールの計画も紙の手帳だ。

スマホがもたらした最大の変化は断片的なメモや新聞記事などを簡単に撮影できるようになったこと。このため机のまわりは紙だらけだが、保存する紙の量は格段に減った。保存、通信、検索、編集では電子的手段が圧倒的に強い。


◆『クラウド「超」仕事法――スマートフォンを制する者が、未来を制する』野口悠紀雄、講談社、2011/11
帰化人』 古代の政治・経済・文化ワオ語る  (2017.11.11)

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