■ マスネ:歌劇《ウェルテル》新国立劇場 2016.4.6(火)

新宿駅南口には今話題の「バスタ新宿」が見えた。京王新線の初台で降りて新国立に到着。
本日の公演は《ウェルテル》。やはりこのオペラの公演は12月が適当ではないかな。ベルギー・モネ劇場の大野和士の指揮で見たのもクリスマス時期だった⇒こちら

本日の新国立公演。マチネーであるが、場内にはなんとなく女性客が多いのでは。序曲の冒頭からどこか悲劇的な重い響きが聞こえる。
そして、いつかウェルテルとシャルロッテの熱愛を表すようなロマンティックな雰囲気に。オケの低音――チェロとかコントラバスに力を感じたのだが、東フィルがいつもと違うのでは。

オペラ全体を通して、セットが落ち着いた様子で好ましい。いかにもドイツのローカルな町のたたずまい。
第1幕では、子どもたちのキャロルの練習風景にマッチする。シャルロットとウェルテルが登場。はやくも熱い視線が。ウェルテルを演じるコルチャックは、声・容姿ともに役柄にぴったりですね。のびのびとした歌唱!シャルロッテは声質が硬質では

第2幕。シャルロッテとアルベールの間には、早くも亀裂があるのか。第3幕〜第4幕。シャルロッテの「手紙のアリア」がある。部屋には朝日が差し込んでいるように見えたが夕陽だったのか。クラブサンも脇にちゃんと置いてある。ウェルテルの「オシアンの歌」には場内から拍手も。魅力的だった。最後の死の場面、外で歌う子どもたちのクリスマスの歌と重なるのは効果的。

マスネーは作曲にライト・モティーフを採用したとのことだが、素人聞きには分からないな。序曲で登場したメロディーがオペラの要所で繰り返されたのは耳に着いたが。やはり、オケの響きが分厚い印象だった。ワグナーの影響があるのか。指揮者はピンチ・ヒッターらしいが特に破綻もなくうまくカバーしたのか。


<スタッフ>
指揮:エマニュエル・プラッソン
演出:ニコラ・ジョエル

ウェルテル:ディミトリー・コルチャック
シャルロット:エレーナ・マクシモワ
アルベール:アドリアン・エレート
ソフィー:砂川涼子

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団、TOKYO FM 少年合唱団

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 (2016.4.6)




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