■ 最高のワーグナー演奏 ヴェルカーに感謝 !

1999年2月11日 (祝) 横浜みなとみらいホール 14時
歌劇《さまよえるオランダ人》から 序曲・オランダ人のモノローグ ・ゼンタのバラード
・オランダ人とゼンタの二重唱
楽劇《ワルキューレ》から ・ワルキューレの騎行・第3幕フィナーレ
ソプラノ:緑川まり バス:ハルトムート・ヴェルカー
東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:大野 和士





横浜みなとみらいホールでワグナーを聞く。ホールはオーケストラの後ろにパイプオルガンがあるスタイル。座席も回り込んでいる。最近のホールとしては狭いのだろうか。座席スペースの前後にもう少し余裕が欲しい。奥の席に人を通すのが苦しい。座席の背中に付いているのは共鳴箱らしいのだが。座は1階のC10-14、前から10列目、ほぼ中央。指揮者や歌手の表情がばっちり絶好の位置である。

《ワルキューレ》 第3幕フィナーレ。これはいつ聞いても涙が出てしまう。父と娘の別れの悲しみというものには普遍性があるのだろうか。ライトモチーフがすべて浮かび上がってきちんと聞こえる。指揮者 大野和士の腕の冴えである。ホルンの弱音は難しそうだ。ちょっとフルートのがんばりが必要かなとの感。

東フィルはオペラの方が良く響くのでは。コントラバスのアタックはDECCAのショルティの演奏を思い出させる迫力。実演とCDを比較するは逆であるが、ショルティ盤はあまりにも印象が強烈、日本では、これなくして《ニーベルングの指環》を語ることはできない。

カールスルーエの劇場オーケストラと比較してどうなのだろう。大野に聞きたいものだ。遜色ないどころか、むしろ上回るのではないかと想像したい。

バリトンのハルトムート・ヴェルカーに感謝。ベテランである。ドイツにはあのクラスがごろごろいるのだろうな。もう最盛期は過ぎているのだろうが、声量は十分だ。ワルキューレやオランダ人は身にしみ込んでいるのだろう。ほとんど暗譜であった。ウォータンを具現している。

ソプラノ 緑川まりの衣装はイメージを壊します。ゼンタには全くそぐいません、ましてブリュンヒルデには。赤と黒の衣装でも、コンサート形式であれば良い?

アンコールは《タンホイザー》から、「夕星の歌」。
帰途、雪がかすかに積もっていた。戸塚には降った形跡なし。


■ 《ニーベルングの指環》に挑戦!

「音楽の友」 1999.1月号にれば、バーデン州立歌劇場カールスルーエで、ついに大野和士がワーグナーの大作《ニーベルングの指環》に取り組んだとのこと。公演にはバイロイト音楽祭総帥 ヴォルフガング・ワーグナーも臨席。
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