■ 庄司紗矢香への期待。 ベルクのヴァイオリン協奏曲 (2004.7.4)
2004/7月の東京フィル定期演会 (東京オペラシティ定期シリーズ) は、指揮 チョン・ミョンフンで、ヴァイオリンに庄司紗矢香が登場(2004.7.1)。
<曲目>
ワーグナー:歌劇《タンホイザー》序曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出のために》
ブラームス:交響曲第2番
特にベルクのヴァイオリン協奏曲。庄司紗矢香のヴァイオリンがすばらしかったですね。気迫のこもった演奏を堪能しました。S席を張り込んだ甲斐がありました。
「ある天使の思い出のために」の副題を振り切って、純音楽的な挑戦だったと思います。問題は
それに応えてオケ――特に木管群――から研ぎ澄まされた響きが聞こえなかったこと。第2楽章
終わり近く、かなたからバッハのコラールもちょっと印象が薄れる。
ヴァイオリンはやや一本調子で、第1、2楽章の色分けを行う余地があったかもしれません。この協奏曲は、これから庄司紗矢香の中心的レパートリーとしてさらに練り上げて欲しいと思いました。その可能性を充分に感じた演奏です。
コンサート・プログラミングにも、もう一歩の配慮が欲しかった。ベルクの後にはマーラーを聴きたくなるのが自然では。ブラームスでは違和感がありました。冷たいビールのあとに無理矢理に熱燗を流し込む感じ?
東フィルにはもう少し頑張って欲しかった。特にホルン。ブラームスではだいぶこけました。隣の新国立で《ファルスタッフ》のピットに入っているのも東フィルだったという事情もあったかな。
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