■ 東京二期会オペラ劇場 ヴェルディ:《ドン・カルロ》
東京文化会館 2014.2.20(木)
本日はダブル・キャスト全4公演のうちの2日目。エリザベッタの安藤赴美子さんに期待しているのだが。イタリア語5幕版とのこと。第1幕は「フォンテンブローの森」。第1〜3幕は通して演じられ、休憩をはさんで後半の第4、5幕。とくに前半は2時間を超えるので緊張が続かないので休みが欲しかった。
ドイツ・フランクフルト歌劇場との提携公演とのことだ。舞台はシンプルだが重厚感がある――石柱の立つ宮殿の様子。この基本構造はずっと変わらない。冷徹さを感じさせる作りだなと思った。
このオペラには重層的に多くのテーマが盛り込まれていますね。フィリッポ2世(フェリーペ2世と習いました)をめぐる歴史ドラマでもあるのか。しかし、個人的には、カルロとロドリーゴの男の友情ドラマとして楽しみました。ヴェルディは、この友情にライトモティーフらしきものを与えていますね。しっかり耳に残り、凛とした印象があります。
第2幕のアリア。ロドリーゴがフランドルの窮状を訴え、カルロに助力を願い、2人が友情を誓う。ヴェルディしか書けないアリアです。聞いていて背筋がピンとなるような気がした。
それに、第4幕だったか。ロドリーゴのアリアで「今日は私の最期の日」。ここでも友情のライトモティーフ(?)が響く。
ロドリーゴを歌った上江隼人さんが素晴らしかったと思います。
フィリッポ2世のジョン・ハウさんも、重厚な歌唱でした。
都響も熱演でした。第4幕の冒頭のチェロ独奏なんか、フェリーペ王の心情が溢れる演奏でした。
<出演>
フィリッポ2世:ジョン・ハウ
ドン・カルロ:山本耕平
ロドリーゴ:上江隼人
宗教裁判長:加藤宏隆
エリザベッタ:安藤赴美子
エボリ公女:清水華澄
テパルド:青木エマ
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
指揮:ガブリエーレ・フェッロ
演出:デイヴィッド・マクヴィガー