■ クァルテット・エクセルシオ 第46回 東京定期演奏会 (2024-6-14)
2024-6-13 東京文化会館 小ホール
まだ6月というのに、"熱中症"に注意との声が聞こえてくる。
急ぎ足でホールに着いたので汗がひかない。これから扇子が手放せないようだ。
プログラム冒頭はモーツァルトの《狩》。さすがにホールいっぱいに新鮮な空気が流れ込んだよう。さわやかな演奏が耳に残ります。
ハイドンセット6曲のうちのひとつ。
次の権代敦彦の曲は、エクセルシオの創立30周年を記念した委嘱作品とのことだ。
精密にコントロールされた弱音から始まる。たしかに空のイメージが喚起される。どうもそれから継続することが難しかったのだが……
ベートーヴェンの14番。以前から、この曲のテーマがどうもよく分からなかったのだが、ひごろ室内楽のバイブルとして愛読している、
大木正興/大木正純さんの共著『室内楽 名曲名盤100』をめくって、どうにか全体像を理解できた。
こう言っている ―― ベートーヴェンがこの時期に四重奏曲用の楽想をありあまるほど抱え、それをまとめることに非常な喜びを覚えていた ――と。
様々な色とりどりのモチーフが、ひとつひとつパレットに貼り付けられた「モザイク画」といった印象だろうか。
モチーフの幅も広い、厳粛な雰囲気から活発でリズミックなものまで。最後に大きなベートーヴェン像が浮かんでくる仕掛けだ。
エクセルシオも熱演でした。
<プログラム>
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調K.458 《狩》
権代敦彦:《空のその先〜弦楽四重奏のための〜》
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131