■ ハーゲン・クァルテット (2017.7.2)
2017.7.2(日) 神奈川県立音楽堂
紅葉坂を登りつめると さすがに息が切れた。かなりの夏日。県立音楽堂にたどりつくと汗がとまらない。会場は「木のホール」を謳っているだけに落ち着いた雰囲気。座席を手に入れた時期は忘れてしまったが、ほぼ中央前より、弦楽四重奏にはぴったりの好位置だった。
プログラムはバリエーションがよく考えられたもの。満足度は高かったですね。県立音楽堂の性格がうかがえました。上野の小ホールとかであれば、もっとコアなものだったでしょう。
はじめのショスタコーヴィチは軽快に始まった。ハーゲンのアンサンブルはきっちりして硬質感がある。弦楽四重奏曲の醍醐味を満喫する。曲想はいつのまにか暗くなる。ときに軍隊の行進だったのか。終曲は消え入るよう。やはりショスタコは一筋縄ではいかない。
続いてベートーヴェン。ショスタコ→ベートーヴェンと連続して演奏されると、自ずとそれぞれの個性がはっきり聞こえてくる。ヘ長調つながりがあった? ベートーヴェンが4声を自家薬籠中のものとして厳しく組み立てているのがわかる。とてもとても枯淡の境地だった。
シューベルトの《死と乙女》。いままで、じっくり聞く機会はなかったのですが。厳しい音楽ですね。聞き直したいと思いました。
アンコールがハイドンとは、まったく気づかなかったとは、お粗末!
<プログラム>
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第3番 へ長調
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調
シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 《死と乙女》
「アンコール」ハイドン:弦楽四重奏曲 第78番 《日の出》から第3楽章