■ 《神々の黄昏》 アルブレヒト指揮 読売日響 (2005.3.21)
読売日響 特別演奏会 2005.3.21(月・祝) サントリーホール
ワーグナー《神々の黄昏》第3幕 全曲 (演奏会形式)
指揮 ゲルト・アルブレヒト
フリュンヒルデ:クリスティーン・ブリュア (ソプラノ)
ジークフリート:ペール・リンズコーグ (テノール) ……*モネ劇場
ハーゲン:工藤博 (バス)
グンター:青戸知 (バリトン)
グートルーネ:林正子 (ソプラノ)
ヴォークリンデ:増田のり子 (ソプラノ)
ヴェルグンテ:手嶋眞佐子 (メゾ・ソプラノ)
フロースヒルデ:栗林朋子 (アルト)
男声合唱:二期会合唱団
14時開演でほぼ90分の演奏会。この日のプログラムは3/19(土)の第436回定期演奏会そのまま。定期で《神々の黄昏》をやるとは!読響はなかなか意欲的である。
オケはステージ上にぎっしり。二十数人の男声合唱がオケの背部にならぶ。ハープが左右にそれぞれ2台づつ、計4台並んでいるのはなぜか?同時に演奏される様子はなかったのだが。ワーグナー・チューバは、ホルン持ち替えで2本だったかな。コントラバスは8本。すごみのある低音群はワーグナーに欠かせない。
冒頭のジークフリートの角笛から引き込まれる演奏であった。舞台裏で吹くホルンも遠近感をもって良い感じである。オケも万全ではなかったか。サントリーホールを満たす豪華かつクリアなサウンドを満喫できた。オケが人声のレベルを超える時があるのだが、アルブレヒトは、特に音量をコントロールしているようには見えなかった。
ラインの乙女3人は、レベルが揃っていてムラがない。ジークフリート(ペール・リンズコーグ)は、甘い声でかつ浸透力がある。気に入りました。ベルギー・モネ劇場への出演経験があるとのこと――2003年5月、大野和士の指揮、ムソルグスキー:ホヴァンシチナの公演であった。ブリュンヒルデ(クリスティーン・ブリュア)は圧倒的でした。透明感がありハリがある。日本人歌手での注目は、ハーゲン(工藤博)か。
贅沢な注文であるが、やはり第3幕だけでは物足りない。幕切れの感興がイマイチである。どうしても音楽的になってしまう。《ニーベルングの指環》の終幕としてのドラマチックな思い入れが強くあるので。
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