■ ワーグナー:歌劇《ローエングリーン》 (2012.6.4)
新国立劇場にワーグナーの歌劇《ローエングリーン》を観てきた。2012.6.4(月)
初めて《ローエングリーン》の実演の舞台に接したのだが、終始、清浄な雰囲気につつまれたオペラと、素晴らしいヘルデン・テノールの歌唱を堪能することができた。十分満足の公演だった。
やはり、フォークトが抜群だった。第1幕で白鳥に導かれての登場から終幕まで、柔らかい美しい声だ、しかも、ちっとも力んでいないのに浸透力がありホールに広がる。ルックスもローエングリーンのイメージにぴったりではなかったか。
指揮のシュナイダーは、中庸と言うべきか。かっちりした安定した音楽をつくったという印象だ。オケの東フィルも良かったです。金管など弱音の難しそうなフレーズが頻出しましたが。
合唱は出番もあり、さすがに聴かせどころを頑張った。
幕開きの前奏曲は落ち着いたテンポで、よく溶け込む響き。白鳥の騎士は、天上から降りてくる、大がかりな仕掛けですね。とにかく、フォークトの第一声から惹きつけられました。エルザも清純な雰囲気。発声がちょっとビブラートが大きいのが気になりましたが。どこかの、つぶやきにもあったように、スカートが短かったのでは、との発言には同感です。衣装がミスマッチの雰囲気。
オルトルートはもっと奸計を凝らすタイプとして、もっと強い性格付けがあれば良いなと。第2幕のテルラムントとの密議など、どこか《リング》のアルベリッヒに通じる。
それと、戦場への出陣を待つ兵士達が、遠目にはどうしても、はちまきをした白虎隊?に見え、珍妙な雰囲気であった。日本人にはオカシイ
第3幕はおなじみの結婚行進曲。エルザの切々とした歌唱。どうしたって、名前を聞きたくなるのは、しょうがないのでは?オケの木管、クラリネットとかオーボエは聞かせどころがあったのではと思うが、平凡にすぎた。終幕はバンダも投入されてスケールの大きな演奏/舞台となった。
<スタッフ>
指揮:ペーター・シュナイダー
演出:マティアス・フォン・シュテークマン、美術・衣裳:ロザリエ
<キャスト>
ハインリヒ国王:ギュンター・グロイスベック
ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ:リカルダ・メルベート
テルラムント:ゲルト・グロホフスキー
オルトルート:スサネ・レースマーク
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
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