■ 俊友会管弦楽団 第54回定期演奏会 2015.5.10
すみだトリフォニーホール 大ホール

久しぶりに俊友会の定期演奏会にうかがった。故・堤俊作さんの指揮に接して以来である。楽団員の堤俊作への敬愛があふれた演奏ぶりだったと覚えている。

本日の演目は、シューマンとR.シュトラウスの組み合わせ。シューマンの交響曲第2番はなかなか実演で聞く機会はない。アマオケでR.シュトラウスをやるのも珍しいのでは。充実した演奏会だったですね。山下一史さんは、アマオケを率いて――失礼ながら技術的には万全とはいえない――立派な演奏でした。山下一史さんの指揮は、ときおりNHKテレビで拝見したことがありましたが、感心しました。

最初のシューマンの交響曲。この第2番にはニックネームも無いし、地味な曲だとボンヤリした印象を持っていたのだが。冒頭からシューマン以外には考えられない、オーケストラの重厚な響き。暗い雰囲気をかもす。一方、金管の響きにどこか祝典的なものを感じた――これが終楽章でも鳴ったか? 第2楽章はスケルツォオなのか、活発な動き。

第3楽章が特に印象的でした。瞑想的な、メランコリックとも思える、弦を中心とするメロディー。感傷的にもならず演奏も素晴らしく感動的でしたね。オーボエがしみ通り、ここで十分満足しました。

シュトラウスの《ドン・キホーテ》。ヴィオラとチェロにプロ奏者を迎えて、さすがに段違いの演奏でした。オケも期待に応えて、シュトラウス特有の隅々まで充ち満ちるような楽器群の響きが再現されました。山下さんの指揮の力ですね。

<出演>
指揮:山下一史
ヴィオラ:佐々木亮、チェロ:林峰男
管弦楽:俊友会管弦楽団

<プログラム>
シューマン:交響曲第2番
R、シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》

↓ 写真は当日のロビー・コンサートの様子(2015.5.10)


戻る