■ カンブルラン指揮 ワーグナー:《トリスタンとイゾルデ》
サントリーホール 2015.9.13(日) 前の広場では、ちょうど秋祭りだろうか、屋台がひろがり賑やかなおんな神輿がくり出していた。こちらはオペラ公演へと向かう。延々と休憩をいれて5時間かかった。
本日の公演は演奏会形式。ビデオ画像を投影するといったようなこともなく、シンプルでいさぎよいものだった。1幕に金管楽器群のバンダが登場するとか、3幕では牧童がパイプオルガン下であし笛を吹いたりした。簡単な演出ではあったが、それなりの効果はあったと思う。オケを舞台に上げると、たしかに細かい音が聞こえてきましたね。
カンブルランの的確な指揮、読響の熱演もあって、感動を共有できる演奏会でした。とくにカンブルランは獅子奮迅の指揮ぶり。細かい歌手へのサポートが見られました。終演時にオペラグラスをのぞくとかなりの疲れた様子。
読響も重厚な響きを出していましたね。3幕の冒頭など、ちょっとお疲れモードかなと感じたのだが杞憂だったかな。
歌手は、シュトゥットガルト歌劇場での活躍メンバーが主体となっているよう。でも、アッティラ・ユンは別格でした。マルケ王に大きなスケールの表現力を発揮しました。それに、クルヴェナルを歌った、石野繁生さんが注目だったのではないでしょうか。
ところで、ちょっとデジカメをいじくっていたら、さっそく案内嬢に撮影禁止ですよと注意されてしまった。このところ、この類の注意をよく聞く、東京藝術劇場とか東京藝大奏楽堂とか。いまいち、ホールの撮影禁止の理由が分からない。著作権とか肖像権とかにからむのだろうか。単なる個人の記録撮影なのだが、目くじらをたてるほどか。
<出演>
指揮:シルヴァン・カンブルラン
読売日本交響楽団
トリスタン:エリン・ケイヴス
イゾルデ:レイチェル・ニコルズ
マルケ:アッティラ・ユン
ブランゲーネ:クラウディア・マーンケ
クルヴェナル:石野繁生
メロート:アンドレ・モルシュ
若い水夫、舵手、牧童:与儀巧
合唱:新国立劇場合唱団 (2015.9.14)
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