■ 新国立劇場 オペラ公演 《トゥーランドット》 (2008.10.10)



新国立劇場に、プッチーニの歌劇 《トゥーランドット》を観てきた 2008.10.10(金)

舞台演出は入り組んでいる。広場で祭りが開かれている、サーカスもやってきているようである。
野外劇場での劇中劇として《トゥーランドット》が演じられるという仕組み。
年代の設定は1920年代とのこと。この舞台がそのまま、第1幕から終幕まで、一貫して使われる。


オペラの開始前から、プロローグとして、なにやら群衆が動き回る、
そこに中国からの雑伎団?が登場して演技を披露する。このプロローグは長すぎる印象だ。オペラ導入部の緊張感が失われる

《トスカ》にしても、《ラ・ボエーム》にしても、プッチーニが冒頭の幕開きにどれだけ神経を研ぎ澄ませ力を注いでいるか!
第3幕では、舞台前面の中央に、カバンが置き去りにされている。
中身が放り出してあるが、楽譜のようである。プッチーニの絶筆であることの暗示だろう。

途中でカバンは持ち去られるが、ここまでがプッチーニの作曲だということか。
この後は、弟子が補筆・作曲したらしい。やはり、この後半部分は、音楽的にも魅力がない冗漫でもある。
付け足しで、演らずもがなだ。「愛」のドラマ、ということだが、ちょっと白けを感じた。

第2幕、トゥーランドットの登場、さすがにスケールがあった。
浜田理恵さんのリューが可憐ぶりで引き立ちます。

東フィルも公演を4回も重ねてくると、伸び伸びとした演奏ぶり。
野外劇場の屋上に頑張ったのが金管グループ。
響きが劇場の空間を満たしスケール感のアップにも効果的だ。

指揮者はどうか。どこかセカセカ感を感じた。ダイナミックレンジが、上方に偏った。やたらとフォルテが強調される。
あの「誰も寝てはならぬ」 テノールがアリアを歌い終わったら。客席が拍手をするくらいの余裕が欲しい。

  トゥーランドット:イレーネ・テオリン
  カラフ:ヴァルテル・フラッカーロ
  リュー:浜田理恵
  ティムール:妻屋秀和

  合唱:新国立劇場合唱団
  管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

  指揮:アントネッロ・アッレマンディ
  演出:ヘニング・ブロックハウス


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