■ ワーグナー:楽劇 《ワルキューレ》 (2016.10.16
新国立劇場 2016.10.12(木)
マチネー公演。5時間超(含休憩)の長丁場で終演は19:30だった。
このところワーグナー作品で観客の女性比率が高いように感じるのだが、
特別な理由があるのかな、それとも単なる勘違い。本日も両隣は女性であったが。
東京では停電があったよう。ここ新国立ではまったく影響はなかった。
かつて横浜で、ゲッツ・フリードリヒ演出の《神々の黄昏》を観た――いわゆる「トンネル・リング」だ。「リング」舞台の初体験でもあり新鮮な感動を味わったものだ。
今回は、オーソドックスな舞台でしたね。ちょっとカビくさい感もあったのですが。
終幕まで引きつけられました。
プログラムには、フィンランド国立歌劇場の協力によるとあった。
ジークムントのステファン・グールドが抜群に良かった! 声量といい、演技といい、満点でした。カーテンコールには不在だったのは残念。
飯野泰次郎の指揮もスケールを感じさせました。
幕切れの「ウォータンの別れ」では、大いに盛り上げてくれました。
細かいミスはあったかもしれませんが、オケ(東フィル)には満足です。
ブリュンヒルデはイマイチだったのでは。特に、あのテコンドーの防具のような衣装はどうか。テオリンの体格とも相まって印象が良くない。
そういえば、グールドとテオリンは、大野和士が新国立で《トリスタン》を振ったとき(2010年)、それぞれトリスタン、イゾルデをやっていたんだ。
⇒ 大野和士 《トリスタンとイゾルデ》
第1幕の聞きどころ「冬の嵐は過ぎ去り」はどうか。花びらの散る様子がどうにも陳腐でかび臭い。もう少しロマンティックにやって欲しいところだ。
第2幕。フリッカとヴォータンの夫婦喧嘩が延々と続く。長いのもワーグナーの特徴と心得て我慢して聞く。フリッカのツィトコーワは、なぜか場違いの感があった。オペラグラスでのぞくと、どうも美人過ぎるのではないかな
第3幕の冒頭。おなじみの「ワルキューレの騎行」だが、演出がどこかエロティック? なぜこの場面がこうなるのか。
やはり終幕は感激的、オケが思いっきりのフォルテだった。
指揮:飯守泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ジークムント:ステファン・グールド
フンディング:アルベルト・ペーゼンドルファー
ヴォータン:グリア・グリムスレイ
ジークリンデ:ジョゼフィーネ・ウェーバー
ブリュンヒルデ:イレーネ・テオリン
フリッカ:エレナ・ツィトコーワ
ワルキューレ:佐藤路子、増田のり子、増田弥生、小野美咲
日比野幸、松浦麗、金子美香、田村由貴絵