■ 指揮者・山田和樹の活躍
■ 山田和樹指揮:横浜市大管弦楽団 (2013.12.27)
横浜市立大学管弦楽団 第44回定期演奏会に行ってきた。大田区民ホール アプリコ 2013.12.27(金)
横浜市大オケの演奏会に伺うのは2回目。なかなかプログラムに趣向が凝らされているように感じる。よくあるアマオケの名曲路線からは逸脱しているようである。本日のメインはエルガーの交響曲だし、前回はショスタコの交響曲第12番だったかな。
さすがにマエストロ山田和樹が登場すると雰囲気が一変します。緊張感と豊かな音楽的気分が横溢します。オケのよく頑張りましたね。聴き応えのある充実した演奏会でした。それにしても客席の盛況ぶりとともに、耳新しい曲にもかかわらず、聴衆に集中力を感じました。
プログラム前半は、沖澤のどかさんの指揮。ていねいな指揮ぶりである。《こうもり》は親しみやすい演奏でした。《スラブ舞曲》も楽しいもの。リズムをとるのが難しい曲もありました。
後半は山田和樹さんの登場。さすがに、風格と熟達の指揮ぶりです。アマオケを相手に、実にわかりやすい棒の振り。それにメンバーをドライブする力も抜群です。ヨーロッパで活躍の場を広げているのがわかります。
エルガーの交響曲は何と言うのでしょう、ジェントルマンを思わせる(意味不明?)とでも。冒頭に登場するいわゆる循環テーマが印象的です。静謐さの中に歓喜が隠れている様子。このテーマが第1楽章では繰り返されます。もちろん終楽章では壮大なフィナーレを築きます。第2楽章は闘争的な音楽かな。第3楽章では弦楽器群でピアニッシモで優雅なメロディーが出てきます。Vnには集中力がありました。
山田さんの指揮姿もいちだんとエレガントになったように感じましたが。実に的確な指揮ぶりでした。エルガーの魅力を存分に伝えてくれました。
指揮:山田和樹、沖澤のどか
<プログラム>
ヨハン・シュトラウスU:喜歌劇《こうもり》序曲
ドヴォルザー:《スラブ舞曲集》(第1集) 第1、5番、(第2集)第2、7番
エルガー:交響曲第1番。(2013.12.27)
■ 横浜市大オケ定期演奏会:ショスタコーヴィチ交響曲第12番《1917年》 (2012.12.27)
横浜市立大学管弦楽団の第43回定期演奏会に行ってきた。 2012.12.26(火) 大田区民ホール アプリコ大ホール
たまたま手にしたチラシで、まだ生を耳にしたことがないショスタコーヴィチの交響曲第12番を、今やビッグネームとなった山田和樹が指揮することを知った。これは聞きのがせないと、期待をこめてに横浜市大オケ(よこいちオケと略称するらしい)の演奏会にうかがった。冷たい突風(こがらし?)の中をたどりついた大田区民ホールは満員の盛況ではなかったか。学生の皆さんの懸命な運営ぶりに好感が持てました。
やはりメインのショスタコーヴィチの交響曲第12番の演奏に感心。約半年間も練習したとのことで、その成果が遺憾なく発揮されました。アマオケのレベルを逸脱していましたね!充分満足しました。冒頭のコントラバス・チェロの低音弦が響きからして、すでにオケの気合いが伝わってきた。指揮の山田和樹さんも、これ以上はないというハイ・テンションではなかったでしょうか。終曲まで保つのかと心配しましたが、オケもよく指揮棒に食らいついて行きました。金管や木管にソロが頻出するのでハラハラする場面もありましたが、ホルンをふくめて無難にこなしていました。
この交響曲は途切れなく全4楽章を通して演奏するのが普通なのかな。いつもCDを聞くばかりなので気がつきませんでした。それにしても、ロシア革命1917年の標題音楽というが、ショスタコらしく表裏があるようだ。普通には単なる巨大かつ凶暴な音楽と聞こえなくもない。構成も複雑だ。よこいちオケは、この大曲・難曲を取り上げて、よくやった。
オケは舞台を埋めつくす大きな編成でした。女性団員が7〜8割を占めている。たとえばホルン・パートは全員女性でしたね。それにオケの配置が初めてお目にかかるもの――向かって右手前面にチェロが並ぶ。たしかに、このショスタコ12番の演奏開始早々に、低音群重視の効果を納得しました。
アンコールはショスタコの《舞踏会》。実に楽しそうな演奏。指揮者との日頃のコミュニケーションが見るからに良さそう。良い気分で会場を後にしました。外は木枯らしがビュンビュンふいていた。
《マイスタージンガー》前奏曲も堂々とした演奏でした。ショパンのピアノ協奏曲、ピアノの寺本沙綾香さん。高音が輝いていました。アンコールは《別れの曲》
<プログラム>
ワーグナー:歌劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》前奏曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番、 ピアノ:寺本沙綾香
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番《1917年》
指揮:山田和樹、横浜市立大学管弦楽団
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