■ 横フィルの ドヴォルザーク 交響曲第7番 (2002.5.26)

横浜フィルハーモニー管弦楽団の第47回定期演奏会でドヴォルザークの交響曲第7番を聞いた。2002.5.26(日)、横浜みなとみらい大ホール。指揮は岩村力。時にもう一歩頑張って欲しいとは感じたものの、アマチュアのオケから、ドヴォルザークの魅力は十分伝わってきた。

この第7番、ドヴォ7という人もいますが、好きな曲です。あまりにも人口に膾炙した《新世界》に比較して、洗練度は劣るかもしれません。しかし、懐かしい旋律、リズミックな舞曲などドヴォルザークの魅力はたっぷりです。勝手に、ドヴォルザークの「田園交響曲」と呼んでいます。ひなびた田舎の村祭りの一日といった感じです。

横フィルの演奏を聞いて、第1楽章と第4楽章の対比など、構成的な面を気づかされました。直前に演奏した《火の鳥》の熱演の影響でしょうか、ちょっと管楽器群が疲れ気味かな。ホルンの弱奏は難しそう。指揮の岩村力さんは、経歴を見ると異色です。早稲田大学理工学部の電子通信学科を卒業、および桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業とあります。2002年3月にはザグレブ・フィル定期演奏会にデビューとのこと。またN響との共演が8月に予定されているようです。インターネットを検索すると、1960年(昭和35年)生まれとあった。

横浜フィルハーモニー管弦楽団のホームページ → こちら
岩村力さんへのインタビュー記事もあって内容豊富です。



■ 東フィル定期にて (2001.7.20)

東京フィルハーモニーの第649回 定期演奏会(2001.7.18、オーチャードホール)は、ドヴォルザーク・プログラムであった。
1.《序曲オセロ》 2.《チェロ協奏曲 ロ短調》 3.《交響曲 第7番》

指揮:ヤーノシュ・コヴァーチュ チェロ:セルゲイ・スロヴァチェフスキー

最初の《序曲オセロ》ではオーケストラのバランスが悪く、今晩はハズレかなと思ったのであった。特に金管には頑張って欲しかった。フルートも響きが通らない。《チェロ協奏曲 ロ短調》ではスロヴァチェフスキーがよく弾きました。もう少しスケールがあればと思いましたが。ここでもオーケストラがもの足りない。ややお座なりの演奏の感があった。独奏と拮抗するような躍動感を期待したのだが。指揮もチェロに気を遣うばかりか。

最後の《交響曲 第7番》で面目一新。指揮者、オーケストラともども全く意気込みが違った。緊張感あふれる演奏でした。確かにブラームスの交響曲第3番に匹敵できる曲だと共感。今までドヴォルザークの交響曲といえば、第9番と第8番であったが、この第7番の魅力を初めて知った。見直しました。悲劇的な導入から、弦のユニゾンの美しい第2楽章、民族風のリズミックな響きが楽しめた第3楽章。力に満ちたフィナーレ。第3楽章が終わって、第4楽章へ移るときの対照的な音色やテンポ感が気に入りました。東フィルも力を出しました。


さっそく手持ちのCDを漁ると、出てきたのがイストヴァン・ケルテス指揮のロンドン交響楽団のLONDON盤。これが熱気にあふれた演奏で意表を突かれた。ダイナミックレンジの広い、かつテンポをかなり大きく動かした演奏である。録音にしても、とても1964年の36年前とは思えないクリアなものである。かつてケルテスとVPOによる《新世界》にかなりしびれたのを思い出しました。当時は第5番でしたね。

通販のCD屋をのぞいてみると、このDECCA輸入盤(430 046-2) 6枚組のドヴォルザーク 交響曲全集が3,890円でした。お買い得ではないでしょうか。








戻る