■ エルガー ピアノ五重奏曲 (2003.8.23)
エルガーの、全く同じカップリングのCD2枚が手許にある。弦楽四重奏曲 (Op.83)と ピアノ五重奏曲 (Op.84)を収めたもの。演奏とレーベルは下記。
・オウエン・ノリス(Pf)/ミストリー弦楽四重奏団 (argo POCL-1222)
・ピーター・ドノホー(Pf)/マッシーニ四重奏団 (NAXOS 8.553737)
NAXOS盤をたまたま入手したのだが、エルガーにこんな隠れた名曲があるとは知らなかった。
1918年、エルガー (61歳)は室内楽の作曲に専念する。ヴァイオリン・ソナタと弦楽四重奏曲が完成し、翌年ピアノ五重奏曲ができあがる。しかし、エルガーはこの後、夫人を失い(1920年)、作曲への意欲を失ってしまう。この弦楽四重奏曲やピアノ五重奏曲は白鳥の歌でもあるのか。
2曲ともに、かすかにブラームスの匂いがする。しかし、晦渋ではない、晴朗な感じだ。弦楽四重奏曲の第2楽章は、懐かしい旋律の流れ、どこかで聞いたような響きが繰り返される。この楽章は静かにおわる。そして何かを決断するような気分がみなぎった第3楽章。
ピアノ五重奏曲の方がお気に入りだ。弦楽四重奏曲と気分の一体感がある。第1楽章は力強い、途中で舞踏的な雰囲気もある。第2楽章は対照的に瞑想的で、かつ美しい。ゆったりとしたピアノと弦楽の対話があり、チェロの豊かな響き。
演奏はargo盤よりもNAXOS盤の方が好みに合う。清潔感があり、録音も良好です。もっとも他に英国のレーベルからも出ていると思うのですが、これから手に入れましょう。今はNAXOS盤に満足しています。
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