■ 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 二期会創立50周年記念公演 (2002.7.28)
7月20日(海の日)、横須賀芸術劇場 (京急汐入駅前)にて、東京二期会オペラ劇場
《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を観てきた。二期会創立50周年記念公演とのことだ。横須賀公演の後、東京文化会館でも行われるので、今回はゲネプロとも言える位置づけか。公演パンフレットには、ベルギー王立モネ劇場提携公演とある。モネ劇場には、この9月から指揮者の大野和士が音楽監督として招聘されている。
マイスタージンガーの舞台に接するのは初めてであったが、二期会、それにオケの東フィルが実力を発揮した期待通りの公演であった。長時間の公演を楽しめました。合唱はさすがに二期会です。オケは手慣れているのですが、いまいち練度が不足。次の文化会館が本番か。指揮者にはもう少し劇的な演奏を期待しました。演出の都合でしょうか、字幕掲示板がかなり舞台から離れて設置された。
第1幕は堂々とした導入。第2幕、ザックスの独唱。この辺り、オケも指揮者もじっくりと心情を描き込むことができたのではと思った。ヨハネ像を中心とするセットは印象的である。第3幕、前半は夢判断も出てきてフロイト風の雰囲気。おまけにザックスの衣装が、精神病の先生風である。人生の酸いも甘いもかみ分けた人物とは見えない。ベックメッサーをことさらに、戯画風、矮小化する演出には賛成しません。歌唱的には立派であったが。ヴァルターの何回も繰り返される「朝はばら色に輝き」はやはり名曲。客席を巻き込んだ終幕の演出は楽しい。
◆指揮 クラウス・ペーター・フロール(Claus Peter Flor)
演出 クルト・ホレス 美術 アンドレアス・ラインハルト
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団
合唱 二期会合唱団
ハンス・ザックス 黒田 博 ポーグナー 池田 直樹 ベックメッサー
大島 幾雄 ヴァルター 成田勝美
コートナー 島村 武男 ダーフィット 経種 廉彦 エーファ 佐々木典子 マグダレーネ 西川 裕子
夜警 若林勉 栄次郎
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