■ 暗号から情報戦略まで (2002.3.8)

「暗号」 (公開鍵) の本を読んでいたら、そこから「PKI」、そして「エシュロン」と三題噺のように広がってしまった。

インターネットを利用した電子商取引が広がっている。書籍を購入するとか、株の売買、オークションへの参加など。このとき個人のプライバシーは保護されているのだろうか。パソコンから打ち込んだクレジット・カードの番号が誰かに盗み見られて悪用されることはないのだろうか、ちょっと心配である。ここで、第三者がのぞき見できないように、プライバシー保護に暗号が使われているのだ。


■ 『企業システムのためのPKI』 日立ソフト 塚田孝則著

PKIとは公開鍵インフラストラクチャのこと。公開鍵を使ったユーザ認証の仕組みである。本書も400ページを超える大冊。PKIの概念の理解から、構築方法や各種規格の解説、さらに導入・運用のノウハウまで網羅している。読み通せば得るところは大きいと思うのだが、かなりの脳力と体力が必要。


◆ 『企業システムのためのPKI』 塚田孝則著、日経BP社、2001/12


■ 『エシュロン――アメリカの世界支配と情報戦略』

エシュロン」 とは米国のNSA (国家安全保障局) が、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏各国の情報機関と共同運用している通信傍受システム。同時多発テロの際には、あのウサマ・ビンラーディンを傍受していたのではないかと言われた。本書の腰帯の惹句で東大・坂村健教授は 「今、エシュロンの真相にもっとも迫る1冊」と言っている。
それにしても、日本の情報戦略はあまりにものんきである。例えば、「インドネシアでAT&Tが大規模な契約を獲得したが、この契約の半分は、当初は日本の電機大手が獲得しそうだったものを、オーストラリアのエシュロン基地が傍受した情報によって逆転したものだ」との具体的報告がある。


◆ 『エシュロン――アメリカの世界支配と情報戦略』 産経新聞特別取材班、角川oneテーマ21新書、2001/12


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