■ 『ホームページにオフィスを作る』 「超」整理法の野口教授の提案 (2002.1.22)



ADSLが急速に普及し、高速インターネットの常時接続が当たり前になりつつある。インターネットの利用環境はどのように変わるのであろうか。「超」整理法の野口悠紀雄 教授はかねてから、「ITの適切な活用が仕事の能率を著しく向上させる」と主張している。本書は、IT活用の具体的手段として、ホームページ利用の方法論を示したもの。「野口悠紀雄Online」や「ノグラボ」での具体例も役に立つ。個人ホームページの開設者にとっては刺激的なコメントもある。

インターネットをもっと積極的に活用するには、個人でホームページを開設することだ、という。自分自身が使うだけでも、きわめて有用である。例えば野口悠紀雄オンラインの「インターネット情報源」は、もともとは自分自身が利用するために作ったものだとのこと。

さらに、共同作業のプラットフォームとして利用すると、仕事のやり方を革命的に変えることができる。「バーチャル・カンパニー」が、ブロードバンド時代になって、にわかに現実のものとなってきたのだ。従来は一カ所に集まって行っていた作業を、インターネットを利用して、地域的に分散して遂行できる。

ADSLの普及により、常時接続のコストが一気に低下した。この結果、簡易版ではあるがイントラネットでさえ実現できる。ADSLを導入し、ハブにパソコンを数台接続しプロバイダと契約して、ホームページのディスク・スペースを共用するだけでも、立派なイントラネットとなる。中小企業やSOHOにとって画期的な変化が起こったといえる。高額のIT投資をした大企業のイントラネットに比べても遜色ない機能を、まったく安価に実現できるのだ。

ホームページの運営法は、試行錯誤の中からしか生まれない。アクセス回数を増やすために、経験から分かった結論は、「一に更新、二に更新、三に更新」とのこと。できるだけ頻繁に更新し、つねに新しい情報を提供することである。

3秒ルールというのがあるようだ。インターネットの利用者は、きわめて短気で移り気なので、一瞥しただけでサイトの概略が分かることが必要だという。短時間でサイトの特徴をアピールすること。3秒以内にページの特徴や目的が伝わらなくては駄目なのだ。


◆『ホームページにオフィスを作る』 野口悠紀雄著、光文社新書、2001/11


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