仕事に役立つ 仕事を動かす文章講座



 
  2009.7.27
 

はじめに

本講座の基調テーマは「仕事を動かす」である。文書によって、人=相手(読み手)を動かして、正しく間違いのない仕事をしてもらう、という趣旨である。意図した通りに人を動かすためには、相手の理解レベルに合わせて文書をきちんと書き、書き手の考えが誤りなく伝わることが大切である。相手をよく理解することだ。

仕事」というのは、大げさな意味でなく、「体や頭を使って働くこと」と考えたい。用を足す、あるいは、何らかの任務を果たすことと考えよう。
例えばこんなことである。
・課長が不在の時にかかってきた電話の内容をメモすること
・昨日行ってきたX社の新製品発表会の様子を報告すること
・顧客からのクレーム内容を調査して社内対策を依頼すること
・業務の拡張に合わせて情報システムの開発を外注すること
・社長に新しい製品の開発計画を説明して決裁を得ること

対象とする文書は、仕事で必要とするもの=技術文書である。実用の文書とも言える。たった1枚の設計メモから、何冊にもわたる大規模プロジェクトのドキュメントまでだ。

文書は仕事の基本である。書き手の意図した通りに仕事を動かすためには、良い文章を書くことが必須条件である。例えば、立花隆(『二十歳のころ』)はこう言っている。
人を動かし、組織を動かし、社会を動かそうと思うなら、いい文章が書けなければならない。いい文章とは、名文ということではない。うまい文章でなくてもよいが、達意の文章でなければならない。文章を書くということは、何かを伝えたいということである。自分が伝えたいことが、その文章を読む人に伝わらなければ何にもならない。

また、野口悠紀雄(『「超」文章法』)はこう言っている。
仕事における文章術で一番大切なことは「通じる」ということである。報告書、企画書、提案書などの実用文の必須条件である。

 

 

技術文書の目的は「仕事を動かすこと


T文書は仕事の基本
    ITエンジニアへの要求 目的:仕事を動かすこと

U基本原則:情報の正確な伝達
    悪文から明文へ 日本語の特質
    基本原則 (1)冒頭案内 (2)重点先行 (3)三等分割 (4)短文連結 (5)主題再現

V文書の設計:三段構成を考える
    設計図を描く 構成を考える 段落で組み立てる 箇条書き

W作文ルール:目標は通じる文章
    明快・具体的に書く 標準書式を守る 見直しをくり返す ライフサイクルを考える

X実務への適用
    電子メールで伝える 議事録をまとめる 仕様を決める

参考文献

 

プレゼンテーション資料:仕事を動かす文章講座
――このプレゼンテーションの動作にはMicrosoft社のPowerPointが必要です――

 → こちら:PowerPointファイル

 

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