■『マックス・ハーフェラール』19世紀のオランダ領東インド植民地 (2017.9.10)
『物語 オランダの歴史』(中公新書 →こちら)を読んだのだが、そのなかで、この本『マックス・ハーフェラール』が紹介されていた。興味をもってさっそく図書館から借り出した。500余ページものなかなか大部な本である。
訳者によれば、この『マックス・ハーフェラール』について、著者はムルタートゥーリ(本名ダウエス・デッケル)。小説の形を借りて19世紀のオランダ領東インド植民地における植民地支配の実態を内部告発し、植民地政策を痛烈に批判した作品だという。
最初の語り手は、アムステルダムのコーヒー仲買商。ドゥローフストッペル。謹厳実直な堅物、敬虔なプロテスタント。道徳と正義を重視する模範的な市民。昔のクラスメートのショールマンに出会う。ショールマンが著者ムルタートゥーリの仮の姿のようだ。
とても完読はできなかった。中間の29章と30章には、「サイジャの物語」が挿入されている。地元東インドの少年と少女の悲恋物語か。さわやかな印象であるが、全体からは、ちょっと異質な感をうけるが、間奏曲の役割を果たしているのか。
◆ 『マックス・ハーフェラール もしくはオランダ商事会社のコーヒー競売』 ムルタトゥーリ/佐藤弘幸訳、めこん、2003/10
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